フランス議会は30日、スマートフォンやタブレット端末などのインターネット接続が可能な携帯機器を、生徒が学校で使用することを禁止する法案を可決した。新法は9月の新学期開始時から適用され、3~15歳の児童や生徒を対象に、校内で端末の電源を切るか、端末を家に置いて登校することを義務付ける。
エマニュエル・マクロン仏大統領は、学校でのスマホ使用の禁止を選挙公約の1つとして掲げていた。今回はこれを法律の成立により実行したものであるが、野党などの反対派からは、うわべだけの措置であるとして批判されている。
マクロン氏が率いる中道政党「共和国前進(LREM)」や、同党と連携する政党の議員らは30日、賛成多数で法案を最終的に承認したが、左右両派の野党議員らは同法案を、「人気取りの政策」であり、何も変わることはないとして採決を棄権した。...
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エマニュエル・マクロン仏大統領は、学校でのスマホ使用の禁止を選挙公約の1つとして掲げていた。今回はこれを法律の成立により実行したものであるが、野党などの反対派からは、うわべだけの措置であるとして批判されている。
マクロン氏が率いる中道政党「共和国前進(LREM)」や、同党と連携する政党の議員らは30日、賛成多数で法案を最終的に承認したが、左右両派の野党議員らは同法案を、「人気取りの政策」であり、何も変わることはないとして採決を棄権した。
新法の下では、教育上の目的や課外活動のための携帯機器の使用、障害を持った生徒の使用については、例外として認められる。また、15歳以上の学生が通う中等教育では、携帯機器使用の部分的または全面的禁止について、各校が個別に決定することができる。
フランスでは2010年に、授業中のスマホの使用を禁止する法律が既に成立していた。ジャンミシェル・ブランケール国民教育相は、「旧法は一律に施行されず、厳しさにも欠けていたが、新法はフランスを21世紀へといざなうものであり、フランス社会に対してだけでなく、世界中の国々へメッセージを発信するものだ。」と述べた。
2016年の調査によると、フランスの12~17歳の子供のスマホ保有率は90%を超えている。2005年には72%だった。ブランケール国民教育相は、ニュース局BFMTVに対し、今日ではオンライン画面中毒や携帯電話の悪用などの現象が見られるとして、「我々には子供や青少年を守る役目がある。それは教育の基本的役割であり、この法律によりそれが可能となる。」と新法成立の意義を強調した。
各国で子供のスマホ中毒の弊害が指摘されているが、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの調査では、学校でのスマホ禁止は、明らかに生徒や学生の学業成績の向上につながるという結果が出ているという。
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