調査は、ADHDではない2,587人のロサンゼルス市内在住のティーンエージャーを対象に、2年間にわたって行われ、現時点のこの分野における最大規模の研究となる。携帯電話など14のデジタルメディアの使用回数と18のADHD兆候について自己申告形式で回答するものであった。
その結果、ソーシャルメディア、ストリーミング動画、テキスト通信、音楽ダウンロード、またはオンラインチャットに没頭すれば没頭するほど、物事を整理したり完成させたりすることやじっとしていることが困難な兆候を示した。...
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調査は、ADHDではない2,587人のロサンゼルス市内在住のティーンエージャーを対象に、2年間にわたって行われ、現時点のこの分野における最大規模の研究となる。携帯電話など14のデジタルメディアの使用回数と18のADHD兆候について自己申告形式で回答するものであった。
その結果、ソーシャルメディア、ストリーミング動画、テキスト通信、音楽ダウンロード、またはオンラインチャットに没頭すれば没頭するほど、物事を整理したり完成させたりすることやじっとしていることが困難な兆候を示した。
デジタル・メディアプラットフォームを頻繁に使用すると回答した若者の約10%は、調査期間中に新たにADHD徴候を示した。一方、いかなるデジタルメディアもあまり使用しない学生の場合、4.6%がADHD徴候を示した。
現代のデジタル機器は、新着のメッセージ、投稿、ゲームへの招待を即座に通知する。通知があると、その時やっていることへの集中力が削がれ、頻繁にあると、注意力や組織力の規範的成長を妨げる可能性がある。またデジタルメディアに絶えずアクセスしていると、物事に迅速に反応できるようになるかもしれないが、制御や忍耐の発達に長期的な影響を与える可能性もある。
ADHD徴候の上昇は「軽度」で、他の要因が原因とも考えられる。また、研究が本質的に観察を主体とし、10代の若者自身による回答に基づいていたため、実際にスマートフォン使用がADHD徴候を起こしたことは証明できないという。
だが、「統計的に重要な関連性があった」ため、さらなる研究を行うための根拠となると、研究を率いた南カリフォルニア大学予防医学心理学のアダム・レーベンサール教授は話す。「私達は、過度のデジタルメディアにさらされた10代の若者が、将来ADHD徴候を優位に発症しやすいと確信をもって言える。」
これまでの研究により、米国の若者の約7%が注意欠如、多動性衝動性を伴う精神状態であるADHDを抱え、一部で増加している可能性があることが判明している。テレビとビデオゲームが子供のADHDの微増に関与していることもわかっている。
ロンドンのキングズ・カレッジの精神学、心理学、神経科学研究所のポスドク研究員であるジェシカ・アグニュー-ブライス氏は、本研究の著者らはこの結果を「過度に解釈しないように慎重だ」と話す。「著者らはADHD徴候の発生頻度のみを評価しているため、この2年間に発生したADH徴候が日常生活で障害となるかどうかは不明である。また80%以上の学生がデジタルメディアを頻繁に使用しているにもかかわらず、大半にADHD徴候が見られていない点にも目を向ける必要があると指摘する。
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