米国司法省によると、銃所持活動家であると言われるブティナ氏は、アメリカの政治家や候補者に会って「裏ルート」を確立し、秘密裏にロシア高官を通じてロシア政府に報告していた。
検察は供述調書で、ブティナ氏が「ロシア連邦の利益を図るために、米国人との関係を構築し、政治に影響を与える組織に侵入している」と述べた。
ブティナ氏は、米国内の非公式ロシア人代理人として行動したとして、共謀罪で15日、逮捕された。...
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米国司法省によると、銃所持活動家であると言われるブティナ氏は、アメリカの政治家や候補者に会って「裏ルート」を確立し、秘密裏にロシア高官を通じてロシア政府に報告していた。
検察は供述調書で、ブティナ氏が「ロシア連邦の利益を図るために、米国人との関係を構築し、政治に影響を与える組織に侵入している」と述べた。
ブティナ氏は、米国内の非公式ロシア人代理人として行動したとして、共謀罪で15日、逮捕された。FBIはブティナ氏のノートパソコンと携帯電話の情報を検索して容疑を固めた。
NRAは今のところコメントをしていない。
ブティナ氏逮捕のニュースは、ロシアが米国の2016年の大統領選に介入したという米諜報機関の結論に更なる疑問を投げかけた露米首脳会談の数時間後に報じられた。ヘルシンキで開かれた異例の共同記者会見でトランプ大統領は、ロシアが「介入する理由が見当たらない」と述べた。
ブティナ氏は、2016年大統領選におけるロシアの介入を調査が行われる中、捜査線上に浮上した。ブティナ氏はシベリアの元家具店店長で、ロシアで銃所持擁護団体を設立した経歴を持つ。NRA会員でもあるロシア中央銀行高官のアレンクサンダー・トーシン氏の弟子として知られている。トーシン氏は2016年にNRAのイベントでドナルド・トランプ・ジュニア氏に会っており、今年4月に米国の制裁下に置かれた。
供述調書によると、ブティナ氏は「ロシア政府の高官」によって指示されたという。名前は記されていなかったが、高官はトーシン氏とみられている。またアメリカ人2人(そのうち1人は「政治工作員」と記されていた)がブティナ氏が米国で政治家と接触するうえで支援したことがわかっている。どちらも犯罪には問われていない。
検察は、ブティナ氏は2015年3月に最初の米国人同僚に電子メールを送り、特定の政党が「2016年の大統領選挙後に米国政府を支配する可能性が高い」と示唆し、ある銃を持つ権利を守る団体がこの政党に強力な影響力を与えると指摘した。いずれの組織も検察によって特定されなかったが、内容からして共和党とNRAと推測される。
この同僚は、大統領選約1カ月前の2016年10月に知人に電子メールを送り、「ロシア政府と米政府の政党の党首との間の非常にプライベートな通信回線確保に関わっている」と述べていた。
ブティナ氏は、政府との接触を図ろうと朝食を兼ねた祈祷会や他の行事に精力的に出席し、ロシア政府に得られた情報を報告する目的で、ワシントンやニューヨークでアメリカ人との一連の晩餐会を設定していた。
当局は、ブティナ氏の捜査は、FBIのワシントン事務所によって行われ、起訴がワシントンの連邦検事事務所の国家安全保障部門及び司法省により行われていると述べた。FBIの捜査を監督するロバート・ミューラー特別検察官の関与は、現時点では明らかではない。
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