グーグル社が年に1度発表している多様性に関するレポートによると、今年初めて退職率に関するデータが盛り込まれ、2017年にもっとも離職率が高かったのは黒人であり、ヒスパニックがそれに続いたという。そのため雇用の伸び率が相殺されてしまい、増加率が低くなっている。また今回は、人種以外にも性別からみた割合についても報告されており、それによれば、世界中の同社従業員の74.5%が男性であり、女性はわずか25%程度しかいない。また米国のデータでは、53%が白人で、アジア系が36%でそれに続く。黒人とヒスパニックはそれぞれ2.5%、3.6%となった。
グーグル社では以前より多様性を受け入れることに力を入れている一方で、問題も起きている。昨年には、男性エンジニアが「男女は生まれながらにして違うもの」「女性はエンジニアには向かない」などと残した文書が見つかり、同社を解雇された。この男性はその後、グーグル社を訴えている。
同社のダニエル・ブラウン副社長兼多様性担当は1月に、サンダー・ピチャイ最高経営責任者と2週間ごとに最新の代表データを共有しており、多様性を高めるための戦略を策定したと述べていた。また、同社ソフトウェアエンジニアのイレーネ・クナップ氏は株主総会において「多様性を受け入れるリーダーシップが欠如することが、製品の品質を損ねると信じる」と話した。
報告書では「多様性については、これまで意義ある努力や、いくつかの成功を収めてきたにもかかわらず、望むべき形にするにはまだまだなすべきことがある」と結論付けている。
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