通信社AFPは毎年、世界中の冒険好きの富裕層の登山者が2万ドルから10万ドルのお金を使って世界最高峰のエベレストに登るが、その通った後におびただしい量のゴミを残していくので大きな環境問題となっていると報じている。
18回もエベレスト登頂の経験を持つベテランのシェルパの話では、近年、登山者が多量のゴミを山に残していき、とても醜く、堪えられない光景だとのことである。ゴミの内訳は、テント、登山用具、空のガスボンベさらに排せつ物などである。それらに加えて、地球温暖化に伴う氷河の融解により、最初の登頂を果たしたヒラリー、テンジンの時代から65年間にわたって蓄積されたゴミも登山路の各所に露出してきている。
ベテランのシェルパによると、ゴミの量はエベレスト山8848mの登頂をめざす登山初心者の増加に伴って増えている。...
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18回もエベレスト登頂の経験を持つベテランのシェルパの話では、近年、登山者が多量のゴミを山に残していき、とても醜く、堪えられない光景だとのことである。ゴミの内訳は、テント、登山用具、空のガスボンベさらに排せつ物などである。それらに加えて、地球温暖化に伴う氷河の融解により、最初の登頂を果たしたヒラリー、テンジンの時代から65年間にわたって蓄積されたゴミも登山路の各所に露出してきている。
ベテランのシェルパによると、ゴミの量はエベレスト山8848mの登頂をめざす登山初心者の増加に伴って増えている。ちなみに、今年はすでに少なくとも600人が登頂している。問題点は、登山初心者がシェルパに目いっぱいの装備を運ばせるので、ゴミを持ち帰る余裕がないことである。
しかしながらネパールとチベット両国はヒマラヤ山脈の最高峰、エベレストの清掃を登山者自らに働きかけている。ネパールでは5年前から各登山グループに4000ドルの前金を払わせ、各グループが18ポンド(=8.2kg)以上の重さのゴミを持ち帰った場合、前金を返すというシステムを始めている。
チベットでは同様のシステムを採用しているが、さらに加えてゴミの量が18ポンドを満たさない分、2ポンド(=約1kg)ごとに100ドルの罰金を追加徴収している。
しかし、ベテランのシェルパによると富裕層からなる登山初心者たちの多くは、初登頂を目指して既に桁違いの投資をしており、4000ドルの前金など気にしていないとのことである。従って、前述のゴミ対策はあまり意味をなさないようである。
一方、ネパール・シェルパ協会のアング・ツェリング氏によると、これからは罰金システム以外にエベレスト・清掃部隊を作って山を清掃するような組織的、能動的活動が必要とのことである。
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