【Globali】
右派のイバン・ジュケ氏が新しいコロンビア大統領に選ばれた(2018/06/18)
イバン・ジュケ候補が54%の票を集め、対立候補のグスタフ・ペトロ氏の41.7%の投票率を大きく引き離し、新しいコロンビア大統領に選ばれた。現職のフアン・マヌエル・サントス大統領の後継の大統領となる。選挙投票率は52%の値となった。ジュケ氏(41歳)は今回の選挙の結果、コロンビアの建国1872年以来で最も若い大統領となる。
6月17日、日曜日コロンビア大統領選出2次選挙は前代未聞の右派候補と左派候補間の一騎打ちとなったが、この選挙は今後のコロンビア国内の安定状態を保持するうえでは重要な意味を持つ選挙であった。
今回、ゲリラ組織、FARCとの和平協定に反対の立場をとるジュケ氏が選ばれたことでコロンビア新政治体制とFARCの関係がぎくしゃくすることが予想される。事実、新しい大統領となるジュケ氏は、かつての強硬右派大統領、アルバロ・ウリベ氏と政策的に近いと言われている。...
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6月17日、日曜日コロンビア大統領選出2次選挙は前代未聞の右派候補と左派候補間の一騎打ちとなったが、この選挙は今後のコロンビア国内の安定状態を保持するうえでは重要な意味を持つ選挙であった。
今回、ゲリラ組織、FARCとの和平協定に反対の立場をとるジュケ氏が選ばれたことでコロンビア新政治体制とFARCの関係がぎくしゃくすることが予想される。事実、新しい大統領となるジュケ氏は、かつての強硬右派大統領、アルバロ・ウリベ氏と政策的に近いと言われている。ジュケ新大統領は選挙後、早速ゲリラ組織、FARCとの和平協定の見直しを行うことを表明した。彼は、特にFARCとの抗争で犠牲になった人々の補償の充実やFARC責任者に対する裁判の公平性向上を指摘している。
なお、現職のサントス大統領は2016年にFARCとの間で7000人のゲリラ部隊の武装解除を含む和平協定を締結し、その年のノーベル平和賞の栄誉を得たが、人口4900万人を有するコロンビアで80%の国民が大統領不支持の態度を取っている。そのため、サントス大統領は、2010年から2期務めたが、今回、3期目の立候補を断念せざるをえなかった。
新大統領のこれから解決すべき問題としては、FARCとの和平協定の見直しもさることながら、次のような項目が挙げられる。
1.産業の振興を行い、1.8%に留まっている経済成長率を上げる
2.政治家の汚職の排除
3.教育、保健制度の不平等の是正
4.麻薬取引を行っている武装組織間の暴力抗争の排除
ところで、ジュケ新大統領は元々弁護士や経済学者が本業で、政治については上院議員を一期務めた経験しかない。今後、FARCとの和平協定の見直しや国内政治、経済の立て直し等、難問を抱えている中で、若い大統領が如何にコロンビア国民の期待に沿った政治を実践できるか、興味を持って見守っていきたい。
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