トランプ政権の国境強硬策により、以前は送還されていた移民を全て犯罪者として扱い、子どもを連れて越境した不法移民の子どもはその親から離して政府の管理下に置く措置をとっており、その数は2千人に上るという。共和党を含め方々から批判が起きており、トランプ大統領はその矛先を民主党に向け、議会の協力で解決できるとしている。政治発言は殆どしないメラニア・トランプ大統領夫人も、コメントを出しており、ブッシュ元大統領夫人は、この状況を第二次世界大戦中の日系人強制収容になぞらえて批判している。
6月17日付米国
『CNN』は「メラニア・トランプは“国境で家族と離される子ども達を見たくない”」との見出しで以下のように報道している。
ファーストレディのメラニア・トランプは政治発言は殆どしないが、国境で起きている移民危機に関しステファニー・グリシャム報道官を通じて、「(メラニア夫人は)子どもを家族から離すのを見るに堪えない。両党が和解し、移民改革を成功させてほしい。法を順守する国、そして心で統治する国でなければならない。...
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6月17日付米国
『CNN』は「メラニア・トランプは“国境で家族と離される子ども達を見たくない”」との見出しで以下のように報道している。
ファーストレディのメラニア・トランプは政治発言は殆どしないが、国境で起きている移民危機に関しステファニー・グリシャム報道官を通じて、「(メラニア夫人は)子どもを家族から離すのを見るに堪えない。両党が和解し、移民改革を成功させてほしい。法を順守する国、そして心で統治する国でなければならない。」とコメントしている。
5月に発表された違法越境をした全ての成人を法廷に送るというトランプ政権の厳格な現行政策では、越境で捕まると、以前のように子ども連れの移民への例外措置はなく、正式な手続きがないが無い場合は、電話で照会できる以外には、親子は離れて収容される。現在、約2000人の子どもが親や保護者から離され、一時施設に収容されており、その写真や報告を聞いた人々の間では、激しい議論が巻き起こっている。
トランプ大統領は政権が決めた方針であるにもかかわらず、民主党に責任があるとして攻めており、先週土曜大統領は、「民主党は共和党と新法で協力することで、国境で離された家族の問題を解決することができる!」等とツイッターに投稿している。
同日付米国『ニューヨークタイムズ』は「トランプ政権による家族離散阻止に向け、共和党幹部が民主党議員と協力」との見出しで以下のように報道している。
日曜、民主・共和両党の幹部がトランプ大統領に家族を別離させている移民問題を解決するよう迫った。共和党議員、ローラブッシュ元大統領夫人、トランプの元補佐官らが、ビルクリントン元大統領を含む民主党と一緒に、2000人の子どもが親と別隔離されている現状の改善を訴えたが、政権側は法を執行するのみと退けた。
父の日と重なったこの日、民主党議員はテキサスとニュージャーシーの一時施設を訪問。また、メラニア大統領夫人は、親子の離散を批判し解決を願うコメントを出したが、当のトランプ大統領はこの問題には沈黙を貫いた。
前共和党政権であるブッシュ夫人は、珍しく国内政策を批判し、この状況を第二次大戦中の日系人収容になぞらえ、「私は国境の州に住んでいる。国境により国が守られているのは有難いが、この容赦ない政策は残酷で心が痛む。」としている。その責任を彼女は政権にあるものとし、政権は子どもを連れて越境すると、離れ離れになるリスクがあると知らしめる狙いがある。移民法は改正すべきだとは周知の事だが、子どもを利用するのは間違っているとしている。
クリントン元大統領は、「トランプ氏は広く批判されることをやり、民主党に移民政策で妥協を誘う作戦なのだと指摘。この子ども達は交渉道具ではない。」等とツイート。これに「YES!」と付け足しヒラリー氏はリツイートした。
また、共和党のスーザン・コリンズ議員も、暴力など特定の理由がないものは批判に値するとしている。リンジー・グラハム上院議員は、トランプはこれを国土安全保障省への電話一本で辞められるのだ。とした。
アンソニー・スカラムッチ元ホワイトハウス通信局長は、これは「キリスト教、そして米国のやり方ではない」とツイート。ケリーヌ・コンウェイ顧問は、「良心のある者として、この政策を好む人はいないといえる。大統領も辞めたがっているのは明白だが、議会が行動すべき」としている。
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