スペイン政府は、民間の救助船「アクエリアス号」によって地中海で救助され、その後イタリアなどに受け入れを拒否された移民約630人について、フランスへの入国希望者は同国が受け入れるとの申し出を受けたと発表した。
地中海で遭難者の救助活動などを行っているフランスの市民団体「SOSメディテラネ」がチャーターしたアクエリアス号は、妊婦や多くの子供らを含む約630人の移民を先週末、リビア沖で救助した。同船はイタリアとマルタから受け入れを拒否され、一時は行き場を失ったが、最終的にスペイン政府が受け入れを表明した。
スペインのカルメン・カルボ副首相は、「移民の到着に当たり、フランス政府がスペイン政府と協働している。...
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地中海で遭難者の救助活動などを行っているフランスの市民団体「SOSメディテラネ」がチャーターしたアクエリアス号は、妊婦や多くの子供らを含む約630人の移民を先週末、リビア沖で救助した。同船はイタリアとマルタから受け入れを拒否され、一時は行き場を失ったが、最終的にスペイン政府が受け入れを表明した。
スペインのカルメン・カルボ副首相は、「移民の到着に当たり、フランス政府がスペイン政府と協働している。」と述べた。船は17日朝にスペイン東部バレンシアの港に到着したが、スペイン政府の声明では、港で所定の手続を済ませた後、フランスに行くとの意思を示した移民は、フランスが受け入れるとしている。
同国の受け入れの申し出に対し、スペインのペドロ・サンチェス首相は、「まさに欧州が今必要としている類いの協力である」として、エマニュエル・マクロン仏大統領に謝意を表した。
SOSメディテラネとともにアクエリアス号で移民らの処置をした「国境なき医師団(MSF)」によれば、リビア沖で船が最初に航行困難な状況に遭遇した際、2人が溺死したという。
移民の殆どはアフリカ出身だが、アフガニスタン、パキスタン、バングラデッシュからの移民も含まれており、出身国は26カ国に上るとMSFは説明している。バレンシアの当局が公表した情報では、内訳は、成人男性が450人、成人女性が80人で、少なくとも7人は妊娠している。子供は12歳以下が11人、13歳以上の未成年者が89人となっている。
アクエリアス号の17日のバレンシア入港に備え、港には多くの言語による歓迎の横断幕が掲げられ、長期間にわたる試練で疲弊した移民らを迎える準備が行われていた。宿泊所が確保され、1,000人の赤十字ボランティア、470人の通訳など合計2,320人が動員されて、600人以上の記者が取材を許可された。さらにバレンシアの当局には、支援を申し出る電話やメッセージが2,000件以上寄せられている。
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