中国は地球上の指令室と今後打ち上げる嫦娥4号(Chang’e 4)との間の交信を円滑にするための中継衛星「鵲橋」を21日、打ち上げた。今後は月の裏側への着陸を成功させ、花や蚕を送って「ミニ生物圏」を月の裏側に創設することなどを目指す。
月の裏側は、「暗い側(the dark side)」としても知られ、地球から見て反対側にあるため、比較的未知である。
ジョージ・ワシントン大学の宇宙政策研究所のジョン・M・ログズドン博士は電子メールで、月の裏側を探検できるようになることは感動的な成果である、と述べた。...
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中国は地球上の指令室と今後打ち上げる嫦娥4号(Chang’e 4)との間の交信を円滑にするための中継衛星「鵲橋」を21日、打ち上げた。今後は月の裏側への着陸を成功させ、花や蚕を送って「ミニ生物圏」を月の裏側に創設することなどを目指す。
月の裏側は、「暗い側(the dark side)」としても知られ、地球から見て反対側にあるため、比較的未知である。
ジョージ・ワシントン大学の宇宙政策研究所のジョン・M・ログズドン博士は電子メールで、月の裏側を探検できるようになることは感動的な成果である、と述べた。「宇宙に関心ある世界の国々は月探査に大きな注目を集めており、裏側に何か将来性があれば、その目的に関して中国はトップに位置付けられるだろう。」
裏側への軟着陸が成功すれば、「世界的にみて史上初」となるだろう、と欧州宇宙局の国際月探査ワーキンググループの責任者、バーナード・フォーイング氏はコメントした。グループは、中国宇宙プログラムに協力している。フォーイング氏は、これまで着陸していた表側とは異なる構成を持つ「裏側を研究する深い科学の機会」になるが、「制御とデータのために中継衛星機を使用することは大きな挑戦」であろうと、先々の困難を警告した。
このような通信中継機は次の裏側にある宇宙船との交信に不可欠である。というのも、月の凸凹が地球との交信を妨げるからである。
中国は「宇宙強国」としてのプレゼンスを上げている。ロシア、米国に次いで3番目となる中国初の有人宇宙ミッションを2003年に実施し、宇宙ステーションを軌道に乗せた。来年には嫦娥5号探査機を着陸させて月のサンプルを地球に持ち帰る計画である。
今後は、2022年に利用開始予定の60トン超えの宇宙ステーション、2020年代半ばに予定されている火星探査機のための特殊コンポーネント、まだ軌道上にある天宮2宇宙ステーションの20トンのコアモジュールの打上げなどが予定されている。
先月の取材で、有人宇宙飛行プロジェクトの総設計者である周建平氏は、中国は既に宇宙飛行士を月に乗せるための「技術的基礎」を有していることを明らかにした。
また近年、多くの中国商用衛星打上げ機が、規模はかなわずともスペースXやブルー・オリジンといった米国の民間企業のモデルを手本に製造されている。
先週、北京に拠点を置くワンスペース・テクノロジーは、9メートルの比較的小型のOS-Xのテスト飛行を行い、民間開発による宇宙飛行企業として初めて、ロケットを宇宙空間に打ち上げた。
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