【Globali】
アメリカの中間選挙を11月にひかえて選挙システムのサイバー攻撃対策は万全か(2018/05/22)
アメリカ大統領の4年間の任期半ばの2年目に行われるアメリカ議会の上院(1/3の100人の議員の改選)と下院(全員の435人の改選)の中間選挙まであと6ヶ月足らずとなっている。今回の中間選挙を前にして、選挙システムのサイバー攻撃の安全対策の強化が関係当局の関心事となっている。ちなみに先ごろの2016年の大統領選挙ではアメリカ50州の選挙システムのうち、21州のまでがロシアのハッカーの標的となった苦い経験を持っている。
連邦議会のサイバー攻撃対策委員会の専門家のランゲビン氏(共和党)は、サイバー攻撃に対するリスク・レベルを現状よりさらに下げるため、システムの安全性を高める更なる投資とシステム運用の安全指針の拡充に努めるがあるとの見解を述べている。連邦議会は3月に3.8億米ドル(=約420億円)の予算を50州と5つの海外領土の選挙システムの安全性強化に充てることを承認している。
さらにランゲビン氏は他の議員と選挙システムの安全性チェック・ガイドラインで選挙、開票システムに弱点が見つかった場合にシステム補強するための補正予算を組める法案も提出中とのことである。...
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連邦議会のサイバー攻撃対策委員会の専門家のランゲビン氏(共和党)は、サイバー攻撃に対するリスク・レベルを現状よりさらに下げるため、システムの安全性を高める更なる投資とシステム運用の安全指針の拡充に努めるがあるとの見解を述べている。連邦議会は3月に3.8億米ドル(=約420億円)の予算を50州と5つの海外領土の選挙システムの安全性強化に充てることを承認している。
さらにランゲビン氏は他の議員と選挙システムの安全性チェック・ガイドラインで選挙、開票システムに弱点が見つかった場合にシステム補強するための補正予算を組める法案も提出中とのことである。このような州単位の選挙システムに連邦政府が介入するのに対して州のシステム関係者には反発する意見もある。
しかし、国務省でサイバー攻撃の担当官を歴任したクリス・ペインター氏の言によれば、サイバー攻撃は国家レベルで行われるので、州単位のサイバー攻撃対策では歯が立たず、連邦政府の下での確固たる対策が必要とのことである。
選挙システムの安全性を高める方法としては、いろいろな方法が試みられている。例えば専用コンピュータ・ネットワークや選挙システムの脆弱性テストを行って、脆弱な要素部分を補強し、ITエンジニアを増やして、常時システム監視を行うなどである。
実際のところ、選挙システムは膨大な数の分散された末端ITシステムを含んでおり、これらの何千にも及ぶITシステムが選挙開票結果などの大量の機密データを取り扱っているので、システム全体の安全性を保つことは容易ではなさそうである。
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