火曜日に発表された「ル・モンド」紙の調査によると、軍事刑事事務局(DPAM)からデータを収集したところ、2016年には1,213人、2017年には1,544人の脱走事件があったという。
脱走は兵士による犯罪の74%を占める。 脱走兵の多くは、軍生活の現実に失望した若者だ。これらの数字は、脱走事件として扱われた全ケースを考慮に入れていると陸軍の広報担当ブロンロン大佐は述べている。
この数字に国防軍の高官も驚きを隠せない。「非常に高い数字だ。 個人的には1年で300~400人ほどだと考えていた 」と認めた。そもそも脱走について軍が話題にすることはなく、問題として捉えていないことが不思議だと「ル・モンド」紙は述べている。...
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脱走は兵士による犯罪の74%を占める。 脱走兵の多くは、軍生活の現実に失望した若者だ。これらの数字は、脱走事件として扱われた全ケースを考慮に入れていると陸軍の広報担当ブロンロン大佐は述べている。
この数字に国防軍の高官も驚きを隠せない。「非常に高い数字だ。 個人的には1年で300~400人ほどだと考えていた 」と認めた。そもそも脱走について軍が話題にすることはなく、問題として捉えていないことが不思議だと「ル・モンド」紙は述べている。軍事刑事裁判を担当する裁判官養成時にもこのことについては何も触れられていないという。軍が脱走を問題視していないのは、戦争時の脱走とはもはや同じ意味合いを持たなくなっているからではないか、と国防省関係者は語る。
塹壕を後にして前線から脱走すれば死刑の可能性もあった世界大戦の時代や、イデオロギー的な理由で脱走し、ヒーローまたは裏切り者になっていたアルジェリア戦争時代とは、時代が変わった。2018年の脱走兵たちは、退戦闘地域から遠く離れていることを嘆き、退屈な毎日と虚無感から、脱走する若者たちだ。脱走の場合、裁判では、平均して1から6ヶ月の執行猶予付き判決となることが多い。2年の間、脱走兵たちを担当してきた、ある裁判官は、2つのタイプが見られると言う。1つ目のタイプは、仕事の選択を間違ってしまった、兵士としての適性が低い若者達。高学歴ではなく、将来に迷っていたところ「光を感じて」軍隊に志願したものの、軍隊生活の制約や家族から離れて暮らすことに耐えられなくなってしまった。2つめのタイプは、非常に高いやる気を持って入ってきたが、イメージしていた軍生活と現実とのギャップにやる気をなくしてしまった若者達。国外での過酷な戦地で戦うイメージに憧れて志願したけれど、毎日のルーチン活動や長い待機時間に失望してやる気をなくしてしまう。しかし、問題は、軍隊は民間企業を退職するようには簡単に除隊できないこと。軍は、テロ事件が頻発している現在、毎年2万5千人を募集せねばならず、任期満了者に契約更新を説得することも非常に難しい中、除隊は簡単に認めてくれない。
仏軍の関係者達は、このような若者たちに対し苛立ちを隠せない。「軍は、夏のキャンプではなく、戦闘ようの組織である。会社に入社するように軍隊に志願するのではない」。
しかしこの現象は新しくはない:過去10年以上で平均すると、毎年約1,810人(※)の兵士が脱走している。 年間募集人数の約10%にあたる。
※裁判所で脱走事件として扱われた件数を基に計算された人数。
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