国際的な音楽業界団体のIFPI(国際レコード・ビデオ製作者連盟)が24日に発表した報告書によれば、昨年、ストリーミングサービスが、CDやダウンロードサービスなどを抜いて、初めて音楽制作業界の最大の収入源となったことが判明した。
IFPIの「グローバル・ミュージック・レポート2018」によると、2017年の合計の音楽売り上げは、前年対比で8.1%増加し、173億ドル(約1兆8,800億円)に達した。デジタル媒体による売り上げが19.1%伸びて94億ドルに達し、全体の半分以上(54.3%)を占めている。
音楽市場の最盛期だった1999年から、その後2014年までの約15年間に、音楽作品の売り上げは大きく落ち込み、約40%も減少して143億ドルとなったが、アップルのiTunesのようなダウンロードサービスの出現と成長によっても、この穴埋めをすることはできなかった。...
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IFPIの「グローバル・ミュージック・レポート2018」によると、2017年の合計の音楽売り上げは、前年対比で8.1%増加し、173億ドル(約1兆8,800億円)に達した。デジタル媒体による売り上げが19.1%伸びて94億ドルに達し、全体の半分以上(54.3%)を占めている。
音楽市場の最盛期だった1999年から、その後2014年までの約15年間に、音楽作品の売り上げは大きく落ち込み、約40%も減少して143億ドルとなったが、アップルのiTunesのようなダウンロードサービスの出現と成長によっても、この穴埋めをすることはできなかった。
しかし、その後登場したスポティファイやアップルミュージックのようなストリーミングサービスの急激な成長が、世界の音楽産業の回復をけん引し、3年続けての増収に貢献している。こうした近年の回復傾向は注目すべきものであるが、2017年の全体の音楽収入はまだ1999年の70%弱に過ぎない。
2017年には、CDなどの物理的な媒体の売り上げが前年対比5.4%減少して52億ドルに、ダウンロードも20.5%減少して28億ドルとなった。一方、ストリーミングの売り上げは41.1%増加し、66億ドルに達している。全体の音楽収入に占める割合も前年の約29%から38.4%に急上昇し、有料ストリーミングサービスの契約利用者は1億7,600万人に上った。デジタル媒体の売り上げの増加には、ストリーミングが果たした役割が大きい。
2017年の音楽収入を地域別に見ると、中南米と中国の市場が大きく拡大し、それぞれ前年から17.7%、35.3%増加した。市場規模は、米国、日本、ドイツ、英国、フランスが世界の上位5カ国となっており、ブラジルは9位、中国は10位となっている。
アーティスト別の作品売り上げでは、英国のシンガーソングライターのエド・シーランがカナダ出身のラッパーのドレイクを抜いて世界1位となり、ドレイクが2位、米国のテイラー・スウィフトが3位だった。
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