米国の有名エンターテイナーの故マイケル・ジャクソン氏が、独特のムーンウォークをステージで初めて披露した際に履いていた黒いローファーのシューズが、同氏の生誕60周年に当たる今年の5月26日、カリフォルニア州のホテルで行われる競売に出品される。
競売会社のGWSオークションズによれば、「キング・オブ・ポップス」と称される故マイケル・ジャクソン氏は、1983年に行われたレコード会社モータウンの25周年記念コンサート(モータウン25)で、「ビリー・ジーン」のパフォーマンスのリハーサル中、フローシャイム・インペリアルの革靴を履いていたとされる。同氏はそのリハーサルで、後方へ流れるように歩く有名な「ムーンウォーク」のダンスを、ステージ上で初めて披露した。
GWSのブリジット・クルーズ氏は、「マイケル・ジャクソン関連の商品には驚くべき程の魅力がある。そしてマイケルが今日では有名なムーンウォークを初めて行った時に履いていたこの靴が、特別なものを超越した存在であるように、全てが信じられないほどに歴史的な価値を備えている。」と述べた。同社は、非常に控えめな見積もりとして、靴に1万ドル(約107万円)の値を付けている。
同社の説明によれば、その靴は振付師兼ダンサーのレスター・ウィルソン氏が所有していた。ウィルソン氏は、ジャクソン氏が兄弟らとコンサートのリハーサルを終えた後、楽屋でその靴を自分にくれたと説明しているという。靴はコンサート本番でも使用された可能性がある。本物であることを証明するウィルソン氏の書簡によれば、ジャクソン氏はその靴を「魔法の靴」と呼び、本番で使われた靴の存在は、これまで決して明らかにされなかったからだ。
ジャクソン氏は、「ビリー・ジーン」と同曲を収録した1982年のアルバム「スリラー」によって、ポップスのシングル、アルバム、R&Bのシングル、アルバムの分野のヒットチャートで同時に1位に輝いた最初のアーティストになった。
ジャクソン氏は5歳の時に、5人兄弟の内の4人と「ジャクソン5」を結成し、活動を開始した。最初のソロアルバムとなった1979年の「オフ・ザ・ウォール」は、200万枚を超える大ヒットとなり、4曲がシングルとしてもトップ10入りを果たした。音楽界のスーパースターは2009年、ロサンゼルス近郊の自宅で主治医の処方した薬により心停止を患い、50歳の若さで生涯を終えた。主治医は2011年に過失致死罪で有罪となっている。
閉じる