著しく重大な時期にしばしば情報が流出するホワイトハウスだが、ロシア大統領再選を祝福しないようメモで大統領が事前に助言されていたとの噂が浮上したことを受け、声明で、大統領メモを報道陣に漏洩させるのは「クビの対象となる犯罪であり、違法かもしれない」と述べた。
プーチン大統領への電話の要点をまとめた中に「祝福しないこと」も盛り込まれていた、と上級行政担当職は21日、AP通信社に対し、匿名を条件に話した。...
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著しく重大な時期にしばしば情報が流出するホワイトハウスだが、ロシア大統領再選を祝福しないようメモで大統領が事前に助言されていたとの噂が浮上したことを受け、声明で、大統領メモを報道陣に漏洩させるのは「クビの対象となる犯罪であり、違法かもしれない」と述べた。
プーチン大統領への電話の要点をまとめた中に「祝福しないこと」も盛り込まれていた、と上級行政担当職は21日、AP通信社に対し、匿名を条件に話した。別の関係者2名は、メモは選ばれた職員のみが閲覧可能であり、国家安全保障担当補佐官であるH.R.マクマスター氏の側近が起草している、と匿名を条件に述べた。現在漏洩についての内部調査が行われているとは述べたが、それ以上の詳細は語らなかった。
トランプ大統領はこれら事前の助言にもかかわらず、電話会談ではプーチン大統領に再選の祝意を伝えた。21日の自身のツイッターで、オバマ大統領も2012年に同様に電話で再選を祝したことを挙げ、自らの判断を擁護した。「ロシア(及び他国)と友好関係にあることは悪いことではなく良いことだ。」また、ロシアは北朝鮮からの「来る軍事競争問題を解決するのに役に立つ」と付け加えた。
漏洩を謀った者の解雇もあり得るとのホワイトハウスの21日の発言は、異例の脅しであり、当局の漏洩に対する位置付けの重さを示す。トランプ大統領とジョン・ケリー首席補佐官は、メモを目にすることができるのは限られた人間であるため、漏洩したことについて共に怒りを露わにしていると言う。
大統領は、漏洩したのは自分を辱め、間接的に攻撃したい「闇の国家」の仕業だろうと話している、と当局及び大統領の考えを知っている外部アドバイザーは語る。
トランプ大統領は、プーチン大統領との強い個人的関係を維持することが、米ロ関係を改善するとし、ロシア大統領への対応にあたっては自身の直感を信頼していると同盟国に伝えた。
口頭での説明を好むトランプが、20日の電話以前に国家安全保障チームが作成した話合い内容の要点メモを読んだかどうかは不明である。というのもマクマスター補佐官はホワイトハウス内で電話の前に大統領に直接説明している。この出来事により、外交政策トップのマクマスター氏の任期に疑念が投げかけられた。トランプ大統領は、3月中旬にマクマスター氏の更迭を考えているが、タイミングや後継者は決まっていない。
トランプ大統領が祝福の電話をかけたことは、祝福しないよう助言をされたことが判明する以前に、共和党員からも激しい批判を受けた。「アメリカの大統領は、見せかけの選挙に勝った独裁者を祝福することで、自由な世界を導くわけではないはずだ」と、上院軍事委員会の議長を務めているジョン・マケイン上院議員は述べた。
今回の電話会談は、トランプ大統領がプーチン大統領を公に批判することに気乗りしないことを示す最新のバロメーターだ。米政府は、米国大統領選へのロシアの干渉や英国での元スパイへの殺人未遂事件への関与を今回話題に出さなかったことを明らかにした。しかし21日の仏マクロン大統領との電話会談では、元スパイへの襲撃事件について触れている。
トランプ大統領は、「近い将来」、軍拡競争やその他の問題について議論するためにロシアと会談を行うかもしれないとも述べた。その際ウクライナ、シリア、北朝鮮問題についても議論する可能性が高いとした。
ロシアは、今月、元二重スパイのセルゲイ・スカリプラル氏とその娘が神経ガスで襲撃された事件をめぐって英国がロシアに抗議して以来、世界からも非難されているが、関与を否定している。米大統領選への介入やその他の「悪意あるサイバー攻撃」に対処して対ロ制裁を発動し、緊張が高まる中、今回の電話会談が行われた。
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