ロシアの通信監視機関がYou Tubeやインスタグラムに対し、ロシア高官と財閥が “米ロのよからぬ関係“について話している動画の削除を求めており、削除しなければ検閲措置に踏み切ると迫っている。
2月14日付英国
『デイリーメール』は「You Tubeとインタグラム、オレグ・デリプスカと副首相が“ヨットで米国のよからぬ話をしている”動画を削除しなければロシアから締め出し措置に」との見出しで以下のように報道している。
ロシアはYou Tubeとインタグラムに対し、ドナルド・トランプの大統領選と関連があるオリガルヒ(新興財閥)がヨット上で米国の話をしているところを撮影された動画の削除を求めている。...
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2月14日付英国
『デイリーメール』は「You Tubeとインタグラム、オレグ・デリプスカと副首相が“ヨットで米国のよからぬ話をしている”動画を削除しなければロシアから締め出し措置に」との見出しで以下のように報道している。
ロシアはYou Tubeとインタグラムに対し、ドナルド・トランプの大統領選と関連があるオリガルヒ(新興財閥)がヨット上で米国の話をしているところを撮影された動画の削除を求めている。
2016年に億万長者のオレグ・デリプスカ所有のヨット上で、セルゲイ・プリコドコ副首相とデリプスカの様子を同伴女性(ナスタ・リブカ)が撮影したもので、腐敗と収賄の証拠としてアレクセイ・ナヴァルニー弁護士率いるロシア野党団が公開したもの。問題の動画では、2人が「米国との悪い関係」やオバマ政権時のユーラシア問題担当元国務次官補ビクトリア・ランド氏に言及したを話している様子が写されている。25分間の動画で、デリプスカは同伴女性リブカになぜロシアと米国の関係はこんなに悪いのかについて、「セルゲイ・プリコドコ副首相の友人ランド(元米国務省国務次官補)という名で若い時に一か月ロシアでホエール・ウオッチングをした後にロシアが嫌いになった女性のせいなんだよ」と説明している。
ロシア司法当局は当該複数の動画や写真(インスタグラム14投稿、ユーチューブ7動画)はデリプスカのプライバシーを侵害するものであるとの理由から、ソーシャルメディア上から削除すべきだとの判断を下している。
ナヴァルニー弁護士によると、グーグルから彼のYou Tubeチャンネルの動画の削除を要請、削除しなければブロックされると通達があり、一方、ロシアの連邦通信監視機関(Roskomnadzor)はYou Tubeとインタグラムに対し、火曜日までに削除しなければ検閲を行うと通達してきたという。水曜夕方の時点では、同伴女性リブカの投稿動画は削除されているが、ナヴァルニー弁護士の動画や写真は残っており、動画は500万回視聴されている。
You Tubeとインタグラムはこの決定を受けての反応は出していない。インターネットプロバイダーが特定のページをブロックするのは不可能なため、サイト全体がロシアではブラックリストになっていると見られている。
ナヴァルニー弁護士はトランプ陣営の元対策本部長ポール・マナフォート氏をはじめとした米国とのつながりを疑っているとしているが、デリプスカの報道官は、これを全面的に否定している。
同日付米国『ハフポスト』は「ロシアが政府高官とオリガルヒの動画でYou Tubeとインスタグラムを脅迫」との見出しで以下のように報道している。
ロシアがヨットでの政府高官とオリガルヒ(新興財閥)を撮影した動画の削除をYou Tube とインスタグラムに要請しており、両社は対応に困惑している。
ロシアの財閥オレグ・デリプスカのプーチン大統領と元トランプ選対本部長ポール・マナフォートとの関係を示す動画をナバルニー氏が公表。ナバルニー氏はロシアの重要人物の汚職を暴き有名になった人物で、ロシア政府は来月の大統領選挙への出馬を禁止している。
2016年ヨット上で撮影された動画は、女優でモデルの同伴女性ナスタ・リブカが撮影し投稿したもの。インスタグラムはロシアの脅迫にノーコメントとし、You Tubeはまだ対応を決めかねているとし、コメントを控えた。
デリプスカのマナフォートとのつながりは両者が1000万ドルの契約を交わした2015年に遡り、その後関係は悪化、デリプスカはマナフォートらを今年訴追している。
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