ドイツの情報機関である連邦憲法擁護庁(BfV)のマーセン長官は、北朝鮮がその在ベルリン大使館を通じ、核・ミサイル開発に必要な技術や部品などを調達していたとの見方を示した。
BfVのハンス・ゲオルグ・マーセン長官が、ドイツの公共テレビ局ARDによるドキュメンタリー番組のインタビューに答えて明らかにしたものである。同番組は5日に放送予定であるが、その抜粋が3日に公開された。
ARDの取材では、BfVは2016年~2017年に調達された部品が北朝鮮のミサイルに使われている証拠を掴んでいたとされている。同局はまた、2014年に北朝鮮の外交官が、化学兵器の開発に用いられるガス放出量測定用の機器を入手しようとしていたことについても報じている。...
全部読む
BfVのハンス・ゲオルグ・マーセン長官が、ドイツの公共テレビ局ARDによるドキュメンタリー番組のインタビューに答えて明らかにしたものである。同番組は5日に放送予定であるが、その抜粋が3日に公開された。
ARDの取材では、BfVは2016年~2017年に調達された部品が北朝鮮のミサイルに使われている証拠を掴んでいたとされている。同局はまた、2014年に北朝鮮の外交官が、化学兵器の開発に用いられるガス放出量測定用の機器を入手しようとしていたことについても報じている。
マーセン長官は「我々は、非常に多くの調達行為がそこ(在ベルリン北朝鮮大使館)から行われたと判断した。ミサイル開発計画、時には核開発計画の意図でも行われたと見ている。」と語った。
同長官はまた、北朝鮮のミサイル開発計画に必要な部品などは、密売人や海外の闇市場を通じて調達されたものをドイツで購入していたと推測すべきであろうと述べている。調達された技術などの詳細は明らかにされなかったが、民生用と軍事用の両用に使えるものが多数を占めていたという。
放送前に発表されたARDのプレスリリースのコメントによると、マーセン長官は、ドイツ当局はそのような行為を発見した際には阻止したが、「すべてのケースを検知して阻止できたかは保障の限りではない。」と説明している。
北朝鮮は昨年、国連安保理の制裁決議に反し、石炭や鉄、鉄鋼他の禁制品を輸出し、2億ドル(約220億円)近くの収入を得ていたとする国連の北朝鮮制裁委員会・専門家パネルの報告書が2日に公開された。同報告書はまた、北朝鮮がシリアの化学兵器開発計画に協力し、ミャンマーに弾道ミサイルを供給するなどした証拠があるとして、同国の軍事協力の実態についても触れている。北朝鮮は、世界の石油供給チェーンや国際金融システムの悪用、外国人との共謀やオフショア企業の利用などによって制裁を逃れているとされる。
閉じる