フランス最大のワイン生産地であるボルドー地方の2017年のワイン生産量が、霜による被害により前年比40%もの減産となった。しかし品質は昨年より良好で、1本をより楽しく味わえるという。
世界的にも有名なワイン産地であるフランス南西部、ボルドー地方のワイン委員会は31日、昨年の同地域のワイン生産量は、合計で350万ヘクトリットル(3億5,000万リットル)となり、霜害により2016年対比で40%減少したと発表した。それにも関わらず品質は上々で、良いワインができたとしている。
昨年フランスでは、3月が異常に暖かかったため、早々にぶどうの新芽が出たが、4月末に2回の遅霜に見舞われ、まだ弱々しかったそれらの新芽は壊滅的な被害を受けた。...
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世界的にも有名なワイン産地であるフランス南西部、ボルドー地方のワイン委員会は31日、昨年の同地域のワイン生産量は、合計で350万ヘクトリットル(3億5,000万リットル)となり、霜害により2016年対比で40%減少したと発表した。それにも関わらず品質は上々で、良いワインができたとしている。
昨年フランスでは、3月が異常に暖かかったため、早々にぶどうの新芽が出たが、4月末に2回の遅霜に見舞われ、まだ弱々しかったそれらの新芽は壊滅的な被害を受けた。ボルドーの生産者の中には、ぶどうを暖めるために、オイルのドラム缶をぶどう畑の木の列の間に置いて、それで火を焚いたりしたところもあった。
ボルドーのシャトーと呼ばれるワイン醸造所の中には、全く生産量が落ちなかったところもあったが、80~90%もの減産となったシャトーもあった。例年良質のワインを生産することで名高いサンテミリオン地区は、今回最も被害が大きかったと言われている。
サンテミリオンはボルドー右岸の代表的な産地で、左岸のメドックと双璧をなす主に赤ワインを生産する地区だ。シャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァルブランなどの有名シャトーがある。今回は右岸の産地で大きな被害が出ている。
最終の確定数字は今月発表されるが、2017年のワイン生産量は、1945年以来最低となることが見込まれている。昨年は、主に白ワインを生産している北東部のアルザス地域のぶどう園でも霜害の影響があり、一方、南仏では非常に暑い夏となって、干ばつの被害を受けた。
しかしそうした中でも明るいニュースがある。生産量が落ちたもののボルドーワインの品質は良く、ボトル毎の楽しみは大きいとしている。また、ワイン生産者は2015~16年の在庫をまだ多く保有しており、両年とも非常に品質の良いヴィンテージ(ぶどうの収穫年)だという。
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