元北朝鮮の工作員で1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯の1人金賢姫(元死刑囚)が米メディアのインタビューで、来月開幕される平昌冬季五輪に関して、北朝鮮は五輪を「武器」や宣伝活動に利用している等と批判し「裏の動機に騙されていはいけない」と警告している。また同氏は「北朝鮮は韓国と手を握ることで国際的孤立や制裁から免れ」たり、韓国を同盟国である米国と離れさせ、共産主義体制のもとに朝鮮半島を再統一しようと意図している」とも述べている。
1月23日付米国
『NBC』は「北朝鮮の元工作員、金賢姫が金正恩の五輪への企みを警告」との見出しで以下のように報道している。
柔らかな声をして殺人犯の風貌ではない金賢姫元工作員は当紙のインタビューで、平昌五輪を2週間後に控え、世界に金正恩を信じるなと警告する。冬季五輪参加の決定には裏の動機があると見ている。
同氏によると、北は韓国を米国から孤立させ、朝鮮半島を共産体制化に統一しようと意図している。...
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1月23日付米国
『NBC』は「北朝鮮の元工作員、金賢姫が金正恩の五輪への企みを警告」との見出しで以下のように報道している。
柔らかな声をして殺人犯の風貌ではない金賢姫元工作員は当紙のインタビューで、平昌五輪を2週間後に控え、世界に金正恩を信じるなと警告する。冬季五輪参加の決定には裏の動機があると見ている。
同氏によると、北は韓国を米国から孤立させ、朝鮮半島を共産体制化に統一しようと意図している。「五輪を武器として、韓国と手を結び、世界での孤立から解放されることで制裁から逃れようとしている。南北合同チームは「金正恩の広告塔」だと表現。
北朝鮮は今回22人の選手団と数百人のサポーター、役員、音楽団、報道関係者を韓国に送っている。同氏は北の究極の目的は米軍を韓国から撤退させることで、平昌五輪終了後1ヶ月以内に「北は挑発を再開するだろう」と予測している。「北は核兵器開発を辞めないだろう。核は北のライフラインだから。」と付け加えた。
同氏は1988年のソウル五輪を阻止する目的を持っていたとされる金正日(当時同氏は韓国情勢全般を担当)の命令で1987年大韓航空機を爆破させた。五輪開催で韓国の経済力が北を上回り、朝鮮人を永遠に分裂させると北は考えており、韓国は五輪選手を送るには非常に危険な国だと世界に示す目的の爆破だったという。
工作員に抜擢された時、平壌の19歳の大学生だった彼女は命令を聞くロボットとして訓練された。1987年の最初のミッションだった爆破事件まで何年も訓練。11月29日25歳の彼女はバクダッドで大韓航空機858に乗り込み頭上の棚に爆弾を仕込んだ。完全に洗脳され、金一族の名誉のために命令を遂行した。実行するとき、爆破により朝鮮統一への革命を起こすのだという使命感を持っていた。人命を奪う不安には朝鮮統一のためには犠牲も必要なのだと考えるようにした。北朝鮮ではイデオロギーが揺らいでいると見られると投獄される。
結果、爆破には成功したが逃亡に失敗。大統領の恩赦により、終身観察処分となり、30年以上経つが今もボディガードが付いている。
同日付米国『Daily Caller』は「北朝鮮の元工作員:金正恩は五輪を兵器として使っている」との見出しで以下のように報道している。
北朝鮮の平昌五輪参加は“恐らく平和的理由からではない”と元工作員が警告する。北は1988年のソウル五輪をボイコットしたが、その数カ月前には100人以上が死亡した大韓航空機爆破を起していた。その実行犯2人のうちの1人は自害、元工作員金賢姫は北の秘密を知る生き証人となった。
同氏は、“北は爆破のような恐ろしいものは計画していないかもしれないが、五輪参加の理由には、韓国政府が描く平和的朝鮮半島へのビジョンではない、裏の動機がある”と見ており、“北は五輪を兵器として使用している”と主張。
多くのアナリストや朝鮮専門家が指摘するように、“北朝鮮は、北の支配下での朝鮮統一への障害をなくす目的で。韓国を米国の保護から引き離そうとしている。”としている。
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