昨年4月26日付当コラムNo.113「自殺死亡率」の中で次のように述べた。
すなわち、“安倍政権は2017年4月、5年に一度見直す新たな自殺総合対策大綱において、人口10万人当りの自殺者数を示す「自殺死亡率」を、2015年の18.5から今後10年間で3割以上減らし13.0以下とし、また、自殺者数も1万6千人以下に抑えるとしている”。
そしてこの程、警察庁から発表されたデータによると、2017年の自殺者は2万1,140人と前年比▼757人(▼3.5%)、また、自殺死亡率も16.7と前年比▼0.6減少した。...
全部読む
昨年4月26日付当コラムNo.113「自殺死亡率」の中で次のように述べた。
すなわち、“安倍政権は2017年4月、5年に一度見直す新たな自殺総合対策大綱において、人口10万人当りの自殺者数を示す「自殺死亡率」を、2015年の18.5から今後10年間で3割以上減らし13.0以下とし、また、自殺者数も1万6千人以下に抑えるとしている”。
そしてこの程、警察庁から発表されたデータによると、2017年の自殺者は2万1,140人と前年比▼757人(▼3.5%)、また、自殺死亡率も16.7と前年比▼0.6減少した。
これらの改善は、2016年4月施行の改正自殺対策基本法に基づき、これまでの所管を内閣府から厚生労働省に移管した上で、現行組織を拡充した自殺総合対策推進センターを中心とし、次のような社会的な取り組みを強化した成果と考えられる。
・自殺予防:未然に防ぐための啓発や教育
・危機介入:自殺を考えている人への支援
・事後対応:自殺が起こった時の対応
ただ、全体の自殺者数は8年連続減少となっているものの、15~39歳の死因の1位が自殺となっていて、なおかつ、1年間の自殺未遂推計53万人のうち、20代が15~23万人と最多となっている。そこで、依然若者の自殺対策-例えば、これまで以上のきめ細かいいじめ防止対策や、SNSの自殺願望サイトの見張り-等々が急務となっていると言えよう。
因みに、日本全体での死亡率(人口10万人当り)は2016年データ(総死亡者数134万4千人)であるが、①ガン298.3、②心疾患158.4、③肺炎95.4、④脳血管疾患87.4、⑤老衰74.2、⑥不慮の事故30.6、⑦腎不全19.7、⑧自殺17.3、となっている。
なお、世界における自殺死亡率は、世界保健機関(WHO)の2015年データであるが、171ヵ国中日本は18位と、依然主要7ヵ国の中でワーストであり、また、世界平均を大幅に上回っている。
(1)ガイアナ(南米北東部)44.2、(2)北朝鮮38.5、(3)韓国28.9、(4)スリランカ28.8、(5)リトアニア(バルト海)28.2、・・・、(12)インド21.1、・・・、(15)ロシア19.5、・・・、(18)日本18.5、・・・、(47)フランス12.3、・・・、(50)米国12.1、・・・、世界平均11.4、・・・(70)カナダ9.8、・・・、(77)ドイツ9.2、・・・、(94)中国7.8、・・・、(105)英国6.2、・・・、(128)イタリア4.7、・・・(170・171)シリア・サウジアラビア0.4。
閉じる