米ニューヨーク交通公社(MTA)は、市内の地下鉄やバスの乗務員等に対し、アナウンスの際に「レディース&ジェントルメン」と乗客に呼びかけることを禁止し、性別を表さない表現を使うよう命じたことを明らかにした。週末に米メディアが報じている。
ニューヨークの地下鉄等の乗務員らは、電車の遅れや経路変更などを知らせる場合等に、「レディース&ジェントルメン」(ladies and gentlemen)と言うのをやめ、「乗客の皆さん」(passengers/riders/everyone)といった性別のないニュートラルな用語を使って呼びかけるよう命じられた。性的少数者(LGBT)等に対する配慮と思われる。
MTAは老朽化した電車運行システムの改修や、乗客とのコミュニケーションを改善する等、全体的なサービス向上の取り組みを進めていくことを8月に発表しており、新列車アナウンスもこの一環である。...
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ニューヨークの地下鉄等の乗務員らは、電車の遅れや経路変更などを知らせる場合等に、「レディース&ジェントルメン」(ladies and gentlemen)と言うのをやめ、「乗客の皆さん」(passengers/riders/everyone)といった性別のないニュートラルな用語を使って呼びかけるよう命じられた。性的少数者(LGBT)等に対する配慮と思われる。
MTAは老朽化した電車運行システムの改修や、乗客とのコミュニケーションを改善する等、全体的なサービス向上の取り組みを進めていくことを8月に発表しており、新列車アナウンスもこの一環である。録音されたアナウンスについても、早急に改定するという。
乗務員らはまた、乗客に遅延についての情報をより多く伝えるよう指示された。これまで長い間、そうした場合に与えられる情報は僅かで、時には電車が動かない理由を不明瞭にしていた。「すぐに動く」などと漠然とした内容だけで正確な情報が与えられないと、乗客は、電車を降りて別の電車に乗り換えるべきか、改札を出てタクシーを捕まえるべきか等、迷うことになるからと関係者は説明している。
新しいアナウンスの仕方などの指示は、今月乗務員等に配布された通知書に記載されており、乗客とのコミュニケーションの要領を定めたルールを大きく改定するのは、この30年で初めてという。英ロンドンの地下鉄では、今夏から既に同様の措置が取られている。
指示書の記述を見ると、遅延について乗務員は、適切な情報をできるだけ多く、平易な言葉で伝え、遅延の理由や運転再開までの見込み時間がわかっていれば説明することとしている。乗務員はまた、ブロンクス動物園、ブルックリン美術館、アポロシアターなどの観光地に近い駅に停車する場合には、手短に観光の案内をしても良い。
乗務員がスマートフォンを携帯し、乗客に伝えるべき情報を必要に応じて入手するパイロットプログラムも試行される予定であり、アナウンスをわかりやすくする研修も計画されている。MTAのこうしたサービスの向上への取り組みは、一般市民や市民団体などから一定の評価を受けている。
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