ロンドン交通当局によると、20日の月曜から、使用済のコーヒー豆の「かす」から抽出した油分をディーゼル燃料と混ぜ合わせることによって精製されるバイオ燃料が、ロンドンのバスを走らせるために使用される。
英国の環境系新興企業であるバイオビーン社が、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルから資金面・技術面の支援を受け、4年をかけてコーヒーを抽出した後の豆かすから取った油分を原料とする燃料を開発した。...
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ロンドン交通当局によると、20日の月曜から、使用済のコーヒー豆の「かす」から抽出した油分をディーゼル燃料と混ぜ合わせることによって精製されるバイオ燃料が、ロンドンのバスを走らせるために使用される。
英国の環境系新興企業であるバイオビーン社が、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルから資金面・技術面の支援を受け、4年をかけてコーヒーを抽出した後の豆かすから取った油分を原料とする燃料を開発した。既に1台のバスを1年間稼働させるのに十分な量の燃料を精製したとしている。そのためには255万杯強のコーヒーが必要であり、6,000リットルのコーヒー油を生産したという。
ロンドンの交通機関は、排ガス対策として、今後さらにバイオ燃料を活用していく方針だ。クッキングオイル、精肉から出た獣脂などの使用済の材料や廃棄物を用いたバイオ燃料は、既に市内を走る9,500台のバスの多くに使用されている。しかしコーヒー由来のバイオ燃料が同市の公共交通システムに使われるのは初めてのことである。
ロンドンに住む人々は、1日平均2.3杯のコーヒーを飲み、1年に20万トンもの豆かすが取れると、バイオビーン社は説明している。同社はコーヒーショップやインスタントコーヒーの工場を回り、使用済のコーヒー豆を収集し、近郊のケンブリッジシャーにある同社工場において油分を抽出する。
コーヒー油は英最大のバイオ燃料メーカーのアージェント・エナジー社に運ばれて動植物油に混ぜられ、最終的に80%が通常のディーゼル、20%がコーヒー油のB20バイオ燃料となる。この燃料の使用により、バスが排出する温室効果ガスは10-15%削減され、エンジン等の改造等も不要ということだ。燃料はタクシーやトラック等にも利用可能という。
バイオビーン社創業者のアーサー・ケイ氏は、コーヒーの豆かすは捨てられれば腐敗し、メタンガスやCO2が発生するが、燃料としてリサイクルすること、また従来の燃料に置き換わることで、二重の省エネになるとしている。「これまで利用しなかった資源を見直すと、どんなことが可能になるかについての素晴らしい事例だ。」と同氏は述べた。
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