この法案の骨子は、米国経済を活性化するため法人税率を現在の35%から20%に引き下げ、2018年から実施するというものである。
現在、米連邦議会下院の共和党と民主党の議席数は240対193となっており、共和党員の13人が反対に回ったことになる。
反対に回った13人の議員は、1人を除けば全員高税率の州(カルフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージー)選出の議員である。
理由は、課税控除額の減額により税率軽減の恩恵を受けられないからである。...
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この法案の骨子は、米国経済を活性化するため法人税率を現在の35%から20%に引き下げ、2018年から実施するというものである。
現在、米連邦議会下院の共和党と民主党の議席数は240対193となっており、共和党員の13人が反対に回ったことになる。
反対に回った13人の議員は、1人を除けば全員高税率の州(カルフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージー)選出の議員である。
理由は、課税控除額の減額により税率軽減の恩恵を受けられないからである。
今回下院で可決されたものの、上院では共和党と民主党の議席数が拮抗(52:48)しており、トランプ政権が期待しているクリスマス休暇前までに上院で可決されるかどうか予断を許さない。
すでに、共和党のロン・ジョンソン上院議員は「この税制改革法案は大企業を優遇するものである。」と批判し、反対の意向を示している。
また、そのほかに5人の共和党上院議員(コリンズ氏、フレイク氏、マケイン氏、コーカー氏、マーコフスキー氏)が態度を保留している。
その1人であるコリンズ議員は「オバマケアの保険加入義務を撤廃する法案により、保険未加入者がさらに1,300万人増加する。」と指摘した。
さらに、上院の法案は下院の法案と若干内容が相違するうえ、実施時期も1年先送りされており、仮に上院で可決したとしても上下両院での法案調整が難航することが予想されている。
来年には中間選挙を控えていることから、当分の間「税制改革法案」の行方に目が離せない状態が続く。
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