毎年スイスの金融大手クレディ・スミスから発表されている「グローバル・ウェルス・レポート」によると、世界の富裕層の上位わずか1%の人が、世界の富の半分を所有しているという。また、世界の富が2008年の経済危機以降27%増加した。
一方、全世界で35億人が貧困層とされ、各人10000ドル(約113万円)未満の資産しか保有していない。この値は世界の就業人口の70%を占めているが、資産としては全体のわずか2.7%である。...
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毎年スイスの金融大手クレディ・スミスから発表されている「グローバル・ウェルス・レポート」によると、世界の富裕層の上位わずか1%の人が、世界の富の半分を所有しているという。また、世界の富が2008年の経済危機以降27%増加した。
一方、全世界で35億人が貧困層とされ、各人10000ドル(約113万円)未満の資産しか保有していない。この値は世界の就業人口の70%を占めているが、資産としては全体のわずか2.7%である。報告書によるとこのような貧しい状況はほぼ発展途上国でみられ、特にインドやアフリカなどでは成人の90%は10000ドル未満の資産しかない。アフリカの中でも特に貧しい国ではほぼ100%が貧困で、これが例外ではなく基準の層となっていると報告された。
世界の億万長者のうち5分の2はアメリカに在住しており、ついで日本が7%、イギリスが6%だという。同レポートでは金融資産と実物資産(不動産など)の合計額から家計の負債を引いた額を純資産と定義しており、純資産が3000万ドル(約34億円)を超える超富裕層の数はおよそ5倍に増加し、世界で4万5000人になっている。
クレディ・スイスの会長であるウルス・ローナー氏は「親世代に比べて若年層に資産が少ない傾向があるが、特に1982年から2000年に生まれたミレニアル世代は厳しい状況」とした。失業率が高いことに加え、住宅価格の高騰、年金が受け取れないなどの理由が若い労働者に大きな打撃を与え資産額を押さえ込む結果になったという。「親世代がより良い仕事や多くの住宅を占有してしまい、ミレニアル世代は親世代の同時期に比べて、特に収入や不動産保有などの面で少ない資産しか持っていない。」「ミレニアル世代でもほんのわずかな成功者しかこの不利な状況下で生き残ることができないだろう。」と説明している。
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