中ロ関係は、1960年代から80年代にかけて、イデオロギー対立から発展した中・ソ連対立、中ソ冷戦の時代を経て、20世紀末から21世紀にかけて、国境問題解決を含めて改善の道を辿った。そして、ここ数年は、経済・領土問題で共通の敵である欧米に対抗するため、中ロ間は益々強固になっている。その証左として、中国向けのロシア産原油供給量は、今やサウジアラビアを遥かに凌駕する事態となっている。また、ロシア-中国友好協会(RCFA)設立60周年を迎えるに当って、中ロ両首脳が祝電を交換し、人的・経済交流が今後も増々盛んになるとみられる。
10月11日付米
『USAトゥデイ』紙:「中ロ両国、原油取引が更に増大」
ロシア産原油の中国向け供給量は、2016年にサウジアラビアを抜いてトップになり、2017年においてその差は益々拡がっている。
特に、ロシアの原油生産大手のロスネフチのイーゴリ・セーチン会長は、ウラジーミル・プーチン大統領に近い人物で、同大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席間の政治・経済協力関係を梃子に、世界最大の原油消費国の中国向けに、更に大幅供給量増実現を目論んでいる。...
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10月11日付米
『USAトゥデイ』紙:「中ロ両国、原油取引が更に増大」
ロシア産原油の中国向け供給量は、2016年にサウジアラビアを抜いてトップになり、2017年においてその差は益々拡がっている。
特に、ロシアの原油生産大手のロスネフチのイーゴリ・セーチン会長は、ウラジーミル・プーチン大統領に近い人物で、同大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席間の政治・経済協力関係を梃子に、世界最大の原油消費国の中国向けに、更に大幅供給量増実現を目論んでいる。
一方、中国側企業群も、ロスネフチの株式取得含めて、ロシアの様々なエネルギー・プロジェクト向けに多額の投資を決めている。欧米からの経済制裁に遭っているロシアは、自国の主要産業であるエネルギー・プロジェクトに資金が得られることを非常に評価している。
更には、ロシアにとって、石油輸出国機構(OPEC、現加盟国14ヵ国、世界原油生産量の約4割)のリーダーであるサウジアラビアを打ち負かすことは、世界原油市場における発言力を増すことになり、大変意味のあることとみられる。
一方、同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「習・プーチン両氏、両国友好60周年を祝福」
習国家主席とロシアのプーチン大統領は10月9日、RCFA発足60周年を記念して、相互に祝電を交換した。
習氏は、RCFAが両国間関係改善に大きく貢献したことはもちろんのこと、これからも両国間の益々の連携、包括的パートナーシップが発展していく歴史的転換点にあると強調した。
なお、中国外交部の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は10月10日の定例会見で、両首脳の祝電の交換は正に両国間関係が大変重要な意味を持つことを“高らかに宣言”するものだとした上で、両国間の包括的パートナーシップはこれまで以上に益々強固なものになると明言した。
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