北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏は今年2月13日、クアラルンプール(マレーシア)国際空港で暗殺された。実行犯の2人の女性はすぐ逮捕されたが、裏で糸を引いたとされる北朝鮮の関係者はすべて北朝鮮に帰国してしまっている。しかし、マレーシア当局としては、ともかく事件のけじめをつけるため、2人の被告の裁判を10月2日に開くと発表した。なお、最悪の場合死刑が宣告される可能性もあるという。
7月28日付米
『AP通信』:「マレーシア裁判所、金正男氏殺害実行犯の開廷日を10月2日と発表」
マレーシア裁判所は7月28日、今年2月13日にクアラルンプール国際空港において、北朝鮮リーダーの異母兄である金正男氏を殺害した実行犯である、インドネシア人シティ・アイシャ被告及びベトナム人ドアン・ティ・フォン被告の裁判を10月2日に開くと発表した。アズミ・アリフィン裁判官は、裁判は2ヵ月間程かかろうとコメントした。...
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7月28日付米
『AP通信』:「マレーシア裁判所、金正男氏殺害実行犯の開廷日を10月2日と発表」
マレーシア裁判所は7月28日、今年2月13日にクアラルンプール国際空港において、北朝鮮リーダーの異母兄である金正男氏を殺害した実行犯である、インドネシア人シティ・アイシャ被告及びベトナム人ドアン・ティ・フォン被告の裁判を10月2日に開くと発表した。アズミ・アリフィン裁判官は、裁判は2ヵ月間程かかろうとコメントした。
同被告2人は、使用禁止されている神経剤VXを被害者の顔に塗りつけて殺害したとされているが、テレビのいたずら番組と誤認させられての行為だとして、無罪を主張している。一方、裏で糸を引いたとされる北朝鮮の4人の被疑者は、いずれも事件当日にマレーシアを立ち去ってしまっている。
なお、北朝鮮当局は、事件に全く関与していないし、更に、死亡者は金正男氏ではないとも主張しているが、韓国情報局は、北朝鮮が5年前から周到に準備した暗殺計画だと非難している。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『ロイター通信』配信):「金正男氏殺害容疑者の2人の女性の裁判が10月2日に開廷」
マレーシア高裁は7月28日、2人の被告を出廷させて、公判開始日を10月2日とすると告げた。
同被告らは、大量殺人兵器として国連から禁止されている猛毒の神経剤VXを使って金正男氏を殺害したとされているが、最悪の場合、死刑が宣告される可能性がある。
一方、7月27日付北アイルランド『ベルファスト・テレグラフ』オンラインニュース:「女性容疑者ら、金正恩氏異母兄殺害を否認」
金正男氏殺害の実行犯とされる2人の女性被告の代理人弁護士は、被告らが7月28日に出廷して、無罪を主張する予定であると語った。代理人によれば、両被告とも、テレビのいたずら番組の撮影と騙されて行った行為であり、殺意は全くないと主張しているという。
なお、マレーシア警察によると、裏で画策したとされる4人の北朝鮮被疑者は全て北朝鮮に帰国してしまったという。
一方、北朝鮮は、死亡者は金正男氏ではないとした上で、死亡原因は心臓発作だと主張し、更に、マレーシアが、韓国やその他の“敵対国”と共謀して北朝鮮を貶めようとしていると非難している。
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