米ネット通販最大手、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOは27日、経済誌のフォーブスがまとめているリアルタイム版の世界長者番付で、一時マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜いて世界一の富豪となった。所有する自社株の価格上昇によるものだが、同日の取引が終わると最終的にはゲイツ氏の総資産が再度上回り、ゲイツ氏がトップに返り咲いている。
フォーブス誌によれば、ベゾス氏の総資産額はアマゾン株の値上がりにより、906億ドル(約10兆1,000億円)に達し、ゲイツ氏の900億ドル(約10兆円)を抜いて世界一となった。アマゾンの株価は過去4カ月で24%上昇する好調さで、ベゾス氏は近々に世界一になるのではないかと言われていたが、27日午前に前日終値比で1.7%高の1,070.72ドルをつけ、この時点でベゾスの資産額を約170億ドル(約1兆9,000億円)押し上げたという。...
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フォーブス誌によれば、ベゾス氏の総資産額はアマゾン株の値上がりにより、906億ドル(約10兆1,000億円)に達し、ゲイツ氏の900億ドル(約10兆円)を抜いて世界一となった。アマゾンの株価は過去4カ月で24%上昇する好調さで、ベゾス氏は近々に世界一になるのではないかと言われていたが、27日午前に前日終値比で1.7%高の1,070.72ドルをつけ、この時点でベゾスの資産額を約170億ドル(約1兆9,000億円)押し上げたという。
ベゾス氏はアマゾン株を約8,100万株、即ち17%を保有しており、筆頭株主だ。またワシントン・ポストの株を、持株会社を通じて保有している。アマゾン株は1,083.31ドルの史上最高値を27日の正午頃に記録したが、その後下降に転じて1%ほど下落し、最終的には1,046ドルで取引を終えた。その結果、ベゾス氏の総資産額は887億ドル、ゲイツ氏は898億ドルとなり、ゲイツ氏が世界一の富豪に返り咲いている。
フォーブス誌は1987年から世界長者番付を発表しているが、その初期には西武グループの堤義明氏(1987-90, 93, 94年)、森トラストの森泰吉郎氏(1991-92年)がトップだった。ベゾス氏は7人目の首位となり、米国人としては、ビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏に続き3人目となる。アマゾンは1994年にシアトルで設立され、97年にNASDAQに上場したが、その翌年の98年にベゾス氏は初めて長者番付に登場し、今年3月には3位まで上昇していた。
ビル・ゲイツ氏は過去23年で18回もトップに立っている(1995-2007, 2009, 2014-17年)。1995年に米国人で初めて首位にとなり、2008年にバフェット氏にその地位を譲るまで、13年連続でその座を守った。2009年に返り咲いたが、2010~13年の4年間は、メキシコの通信王であるカルロス・スリム氏がトップだった。その後の4年間は再度世界一の富豪の座をキープしている。
フォーブス誌は、ゲイツ氏が莫大な資産を慈善事業に投じなければ、圧倒的に首位を維持し続けただろうと言う。2010年にゲイツ氏はバフェット氏とともに、世界の富豪たちに、その保有資産の相当部分を事前事業に寄付するよう呼びかける取り組み「ギビング・プレッジ(Giving Pledge)」を立ち上げており、これまでゲイツ氏は300億ドル以上を寄付したと言われる。ベゾス氏はこれまでこの取り組みには参加していない。
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