トランプ米大統領は22日、通信大手会社等の産業界首脳らとホワイトハウスで面会し、5Gのブロードバンドやドローン等の米国の最先端技術を法制面から後押しし、競争力を確保していくことを約束した。
その会合は、テクノロジー産業に特化したホワイトハウスでの1週間のイベントの一部であり、トランプ大統領は今月18日には、アップルやアマゾン、マイクロソフトなどのテクノロジーの会社の幹部を集め、政府のITのレベルアップ等について助言を求めている。
「最先端技術における米国のリーダーシップ」と題された22日の会合には、通信や産業大手のAT&T、スプリント、ベライゾン、GEや、小型無人機「ドローン」のメーカー、ベンチャーキャピタル等のCEOらが出席し、政府がどのように新技術の導入を加速する政策が打てるかなどについて、助言を募り協議した。...
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その会合は、テクノロジー産業に特化したホワイトハウスでの1週間のイベントの一部であり、トランプ大統領は今月18日には、アップルやアマゾン、マイクロソフトなどのテクノロジーの会社の幹部を集め、政府のITのレベルアップ等について助言を求めている。
「最先端技術における米国のリーダーシップ」と題された22日の会合には、通信や産業大手のAT&T、スプリント、ベライゾン、GEや、小型無人機「ドローン」のメーカー、ベンチャーキャピタル等のCEOらが出席し、政府がどのように新技術の導入を加速する政策が打てるかなどについて、助言を募り協議した。
トランプ大統領は、「私たちは特定の分野ではナンバー1のままでいたい。皆さんが必要とする競争上の優位性を提供する。自分の政権は、雇用の増進と繁栄のため、行政の壁を取り除くことに集中している。我々は無駄が多く介入的で、雇用が喪失されるような法規制を見つけるため、規制緩和の特別委員会を立ち上げた。」と語った。
企業の幹部らは、ホワイトハウスのイーストルームでの大統領との会合の前に、ドローンや、5Gのワイアレス・ブロードバンド、いわゆるモノのIT、最先端技術への資金調達等について、分科会で議論した。「我々は今朝非常に良い会話をした。我々がブロードバンドにおける世界のリーダーであり、5Gの世界へ進むに当たっても、モバイル・ブロードバンドの展開において世界をリードできる。」とAT&Tのランドール・スティーブンソンCEOは述べている。同氏はトランプ大統領に、どのように5Gの携帯電話が都市に導入されるかについてのデモを披露した。
T-モバイルのマイク・シーバートCOOはトランプ大統領に対し、「政権の法規制環境に対するオープンな対応」について感謝し、ドローンのメーカーであるプレシジョンホーク社のマイケル・チェイスンCEOも機会を取らえて称賛の言葉を送った。一方で彼らは、外国人が米国内で起業することができる法制を維持することの重要性を強調した。他国はそうした外国人起業家に進んでビザを発給するなどしているが、トランプ政権は移民を制限するという基本方針の下で、そうした法制を廃止しようとする動きがあり、道が閉ざされてしまうことへの懸念を表明した。
大統領との会合では、出席者たちからの提案事項のリストが読まれたが、その中にこの外国人起業家を保護する法制の維持も含まれていた。出席者によれば大統領もその重要性を理解したようで、ホワイトハウスのシニアアドバイザーである娘のイヴァンカ・トランプ氏が会議後、「米国のイノベーションを育むことは、政権の重要な優先事項」とツイートしている。
ドローンメーカーからはケスプリー、エアマップ、プレシジョンホークなどの幹部が出席したが、ドローンの一層の活用のための法制の整備を求めた。米国では現在、ドローンを飛ばすことは法的に可能だが、荷物の配送や人間の手の届かない各種のインフラ調査などについて、オペレータが側にいないと行えない。オペレータが見えないところでの飛行や夜間の飛行を、米連邦航空局(FAA)が許可しないからだ。
FAAは動きが遅く、航空機を規制するのと同様の古いやり方でドローンを規制しようとしているとして、融通性に欠けると批判されてきた。アマゾンなどは2015年に許可が早く出ないため、米国で行おうとしていた試験飛行を英国で行ったこともあるという。多くの革新的なドローン技術は米国発祥なのに、法的整備が遅れているため、日本、オーストラリア、ニュージーランド等の規制が緩やかなところにビジネスが取られてしまうとメーカー各社は懸念を表明しており、トランプ政権がFAAを動かし、多くの有望な商用利用の道を広げてくれるとの期待感を示した。
トランプ大統領は、本会合でスプリントの親会社であるソフトバンクの投資の功績について触れている。「大統領選挙の直後、(ソフトバンクの孫正義CEOが)私のオフィスにやってきて、“あなたが当選したから、私は500億ドル投資する。”と言った。私はこれに対して“それで全部? もっとできないのか?”と返した。」とジョーク交じりに語った。
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