東レは、イタリアのロケット部品メーカー、アヴィオ社と、ロケット用途に使用する炭素繊維「トレカ」(炭素繊維複合材)を、最長2027年まで供給する長期契約を締結した。
アヴィオ社は、旧社名、フィアット・アヴィオと呼ばれる、イタリアの航空宇宙関連企業で、欧州のアリアンスペース社が打ち上げ運用する小型ヴェガロケットや大型アリアン5ロケットの製造を担当している企業体の1社である。
現在、東レは、フランスの現地子会社トーレ・カーボン・ファイバー・ユアラップ・S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給している。
今回、新たに、新大型ロケットアリアン6やヴェガC(低軌道用小型人工衛星打上げロケット)等の次世代ロケットのモーターケース向けにも炭素繊維「トレカ」を供給することとなった。...
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アヴィオ社は、旧社名、フィアット・アヴィオと呼ばれる、イタリアの航空宇宙関連企業で、欧州のアリアンスペース社が打ち上げ運用する小型ヴェガロケットや大型アリアン5ロケットの製造を担当している企業体の1社である。
現在、東レは、フランスの現地子会社トーレ・カーボン・ファイバー・ユアラップ・S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給している。
今回、新たに、新大型ロケットアリアン6やヴェガC(低軌道用小型人工衛星打上げロケット)等の次世代ロケットのモーターケース向けにも炭素繊維「トレカ」を供給することとなった。
当該契約額は明らかではないが、数十億円規模と見られている。
トレカは、ポリアクリロニトリルを原料にした高性能炭素繊維で、航空宇宙分野や産業分野およびスポーツ・レジャー分野など幅広く使用されている。
東レによると、炭素繊維は鉄の4分の1の軽さにもかかわらず、強度が鉄の10倍あるのが特徴とのことである。
現状、放送・通信、GPS、地球観測などの様々な用途において、人工衛星関係の需要があり、それに伴い、衛星打上げ用のロケット需要は、拡大の一途にある。
そのうえ、ロケット打上げコスト削減および高性能化の要求に対応すべく、炭素繊維複合材の需要拡大が今後益々見込まれている。
よって、東レは、炭素繊維複合材料事業を、中長期に亘って収益拡大を牽引する「戦略的拡大事業」と位置づけており、更なる開発・供給を通じて、宇宙分野の拡大を目指している。
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