中国人民解放軍は4月26日、遼寧省(リャオニン)大連港(ターリエン)で建造していた初の国産空母の進水式を行った。中国は、軍事費で米国に次いで世界2位、軍事力ランキングでも米・ロに続いて3位を誇るも、海軍力ランキングでは米・ロ・英・日・仏の後塵を拝して6位に甘んじている。しかし、台湾周辺や南シナ海で軍事的優位に立つため、海軍力、とりわけ空母の保有数を5~6隻まで増やし、米国(10隻)に次ぐ地位に躍り出るべく、着々と準備を進めてきている。ただ、米軍の超大型空母と比較すると、規模・動力・艦載機発射システム等、技術格差は歴然としている。
4月26日付米
『AP通信』:「中国初の国産空母が進水式」
中国人民解放軍は4月26日、2013年11月より大連港で建造を進めていた国産初の空母の進水式を行った。式典には、中国軍制服組トップの范長竜(ファン・チャンロン)中央軍事委員会副主席らが出席したが、習近平(シー・チンピン)主席は欠席した。
新空母は、引き続き大連港で装備の追加工事を行い、2020年までに就役する予定である。...
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4月26日付米
『AP通信』:「中国初の国産空母が進水式」
中国人民解放軍は4月26日、2013年11月より大連港で建造を進めていた国産初の空母の進水式を行った。式典には、中国軍制服組トップの范長竜(ファン・チャンロン)中央軍事委員会副主席らが出席したが、習近平(シー・チンピン)主席は欠席した。
新空母は、引き続き大連港で装備の追加工事を行い、2020年までに就役する予定である。中国は既に、旧ソ連(ウクライナ)から船体のみを購入し、中国で改修工事を行った空母“遼寧”を、2012年に就役させている。
なお、米軍との戦力を比較すると、米空母10隻:中国1隻(将来+2)、米駆逐艦62隻:中国32隻、米潜水艦75隻:中国68隻、米海軍兵力32万3千人:中国23万5千人、である。
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「中国の国産初の空母“山東”が進水式」
中国初の国産空母は“山東”と命名される見込みで、全長315メーター、幅75メーター、速度31ノット、排水量7万トンと、既に保有・就役している“遼寧”より少々大きい。
しかし、軍事専門家は、中国がライバルとする米国の軍事力は群を抜いており、米軍の超大型空母は10万トン級と、今回の“山東”の2倍もある。また、動力は原子力である上に、電磁力航空機発射システム(電磁式カタパルト、注後記)を装備しているのに対して、“山東”は通常動力(重油燃料)であり、旧来のスキー・ジャンプ台発射システムである。
なお、中国は3隻目の空母を2021年頃に完成予定であるが、依然原子力ではなく、また、電磁式カタパルトも装備されない。
同日付香港
『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「中国海軍増強の一環での国産初の空母が進水」
中国国産初の空母“山東”は、中国人民解放軍創設68周年記念日(4月23日)の3日後に進水式を迎えた。新型空母は、“遼寧”より少々大型で、J-15戦闘機やヘリコプター等を多く艦載できる。
しかし、中国の海軍事情通は、米国は2013年11月に進水させたフォード級超大型空母“ジェラルド・R・フォード”を今年中に就役させるが、同船は最新鋭の原子力空母で、今回の“山東”、また、2021年に建造予定の3隻目の空母に比べて、全てにおいて遥かに優れており、米中の技術の差は益々広がっているとみている。
同日付中国
『環球時報』:「中国初の国産空母が進水」
中国初の国産空母が4月26日に大連港で進水式を迎えた。3日前の4月23日は、中国人民解放軍の創設68周年記念日であり、海軍関係者は、その祝賀の一環で栄えある進水式を迎えたことを誇りに思っている。
(注)電磁式カタパルト:米海軍と英海軍が開発した、リニアモーターによって航空母艦から固定翼機を発射するシステム。
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