トランプ大統領いわく「カナダはアメリカからの酪農製品の輸入に規制をかけていて、“ブロックしている”」とのことであるが、実際にカナダの酪農業は規制で守られていて価格も適正になるように長年コントロールされてきた面もあり、酪農業は政策によって守られてきたと言える。
ホワイトハウスの商務長官のウィルバー・ロス氏も「カナダは品行方正であり、我が国にとってとてもいい隣国のパートナーです。カナダとは貿易に関してはできればフェアプレーをしたいとは思っておりますが、NAFTAはもはや正常に機能していないことは明白であり見直さなければなりません。...
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トランプ大統領いわく「カナダはアメリカからの酪農製品の輸入に規制をかけていて、“ブロックしている”」とのことであるが、実際にカナダの酪農業は規制で守られていて価格も適正になるように長年コントロールされてきた面もあり、酪農業は政策によって守られてきたと言える。
ホワイトハウスの商務長官のウィルバー・ロス氏も「カナダは品行方正であり、我が国にとってとてもいい隣国のパートナーです。カナダとは貿易に関してはできればフェアプレーをしたいとは思っておりますが、NAFTAはもはや正常に機能していないことは明白であり見直さなければなりません。」と主張している。
カナダのトルドー首相はアメリカ政府に対して、「アメリカが強硬姿勢で来るのでしたら我が国も自国の利益を守るために最善の努力をしていくつもりです。しかし、双方にとってウィンウィンの関係になれるように解決策を模索することも重要かと考えます。」との意見を述べている。
しかし、カナダはチーズ製品で使用されているといわれる「限外{げんがい}ろ過乳」に関しても同様の保護主義的な政策を取っているため、そのことが今回の議論に火をつけたとみられる。
アメリカの酪農業関係者は多くの損害を被っているためにアメリカ政府に抗議をしていると言われていて、ホワイトハウス内でもトランプ大統領に対して一刻も早く何らかの処置を講ずるよう求めているという。
アメリカとカナダでは35年近くも針葉樹製材に関して貿易論争が起きていて、アメリカ側の主張によれば「カナダは不正な補助金で針葉樹製材をアメリカへ安く輸出し、アメリカの木材ビジネスに損害を与えている。」とのことである。
アメリカ商務省の発表によると、「月曜日のカナダ政府との会談では交渉が決裂し、計画は失敗に終わった」とのことで「27日までに本件について徹底調査を行い妥当性が認められれば、アメリカはカナダの針葉樹製材に3パーセントから24パーセントほどの輸入税をかける」とのことである。
しかしカナダ政府側は「アメリカ政府の主張は全く根拠がなくアンフェアである。」と反論していて、「以前にもアメリカ政府は木材ビジネスのことでカナダを訴えたことがあるが、NAFTAの会議では否決され要求は却下されている。それにも関わらず再度同じ主張を繰り返すのは、カナダの輸出を規制し人為的に供給量をコントロールしたいという思惑があるにすぎません。」との見解を述べている。
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