1月18日付米
『ニューズウィーク』誌:「習近平氏のダボス会議スピーチで世界リードの主客転倒」
「●つい2000年代半ばまで、無責任な国と非難されていた中国が、1月17日のダボス会議での国家主席の基調講演で、世界自由貿易と経済安定化実現に向けて貢献すると発言するに至り、世界のリード役がこれまでの米国から中国に取って代わられた雰囲気。
●特に、米国第一主義を標榜するドナルド・トランプ氏が次期大統領になると決まって以降、中国が米国に代わって世界の推進役に登りつめる意向。...
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1月18日付米
『ニューズウィーク』誌:「習近平氏のダボス会議スピーチで世界リードの主客転倒」
「●つい2000年代半ばまで、無責任な国と非難されていた中国が、1月17日のダボス会議での国家主席の基調講演で、世界自由貿易と経済安定化実現に向けて貢献すると発言するに至り、世界のリード役がこれまでの米国から中国に取って代わられた雰囲気。
●特に、米国第一主義を標榜するドナルド・トランプ氏が次期大統領になると決まって以降、中国が米国に代わって世界の推進役に登りつめる意向。
●具体的には、中国主導の自由貿易・経済圏に多くの国を取り込もうと画策。
●習氏は講演の中で、米国金融界に端を発した2008年の世界金融危機を引き合いに出し、目下中国が中心の主要20ヵ国(G-20)が推進役となって、世界の金融システムや経済の再構築に邁進していることを強調。
●来年のWEF年次総会について中国は、(スイスのリゾートのダボスではなく)中国黒
龍江省亞布力(ヤブリ)スキーリゾートでの開催を主張するのではないかと推測。」
同日付中国
『環球時報』(
『新華社通信』配信):「中国国家主席のダボス会議での基調講演を世界が称賛」
「●習主席による、保護主義を排除し自由貿易を推進するとの宣言に、WEF出席の各国政財界代表が称賛。
●具体的には、世界医療機器会社、資産運用会社、コンサルティング会社、会計監査法人、不動産開発会社、NGOグリーンピース代表(但し、いずれも傘下の中国法人代表)などが異口同音に評価。」
一方、同日付米
『ロイター通信米国版』:「海外企業家、中国の門戸開放宣言に懐疑的」
「●習主席がダボス会議の講演で、中国市場を開放して世界自由貿易発展に寄与すると発言したことに対して、海外の企業家は懐疑的。
●例えば、中国在の米国商工会議所が1月18日にリリースした調査結果によると、全会員のうち80%余りが中国での事業展開について歓迎されていないと感じ、また、ほとんどの会員が、中国が市場を開放するとの宣言については疑問視。
●同会議所のウィリアム・ザリット会頭は、習主席が公の場で発言したことで、今後何がしか進展あることを期待したいが、今までのところ一切変わっていないとコメント。
●また、中国在欧州商工会議所のジョルグ・ウットゥケ会頭は、習主席発言は歓迎するも、中国はこれまで何年もの間市場開放すると口先だけだったので、実際はどうなのか、今後を見守りたいとコメント。
●中国国務院(内閣に相当)は1月17日夜、(習主席講演に従って)海外企業の規制緩和等についての方針を発表したが、具体化・詳細化や施行時期などは不詳。」
また、同日付フランス
『フランス24』オンラインニュース(
『AFP通信』配信):「専門家:習氏のダボス会議での宣言は実行性ないと評価」
「●欧州や米国で保護主義が台頭しつつある状況下だったので、ダボス会議で行った習主席の基調講演に3千人の出席者は称賛。
●しかし、多くの専門家は、習主席が2012年に就任以降、海外企業への取り締まり強化、国営企業への影響力増強、ネットを通じての情報共有の制限等を実施してきていることから、今回の講演内容の実行性を疑問視。
●香港大学のウィリー・ラム教授は、習政権下で、中国市場開放はむしろ“後退した”と明言。
●世界銀行が発表した2016年事業自由度ランキングで、中国はサウジアラビアやウクライナより下位の84位であり、経済協力開発機構(OECD)の海外投資の制限についての評価レポートでは、中国は下から2番目の評価。」
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