先週、米メディアが一斉に、米中央情報局(CIA)の調査で、米大統領選の際にロシアによるサイバー攻撃でクリントン民主党候補の選挙キャンペーンが妨害されたと報じたのに対して、トランプ次期大統領は、民主党の敗北の理由探しの一環だと一蹴している。しかし、オバマ大統領は、自身の対ロシア政策を弱腰と批評してきた共和党側が、今回のCIA調査結果を以てロシア非難をしようとしないのは論理矛盾だとして、退任間近とは言えロシアに厳しく対応していくと表明している。
12月16日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「オバマ氏、米大統領選に干渉した他国政府に対して厳しい対応を取ると宣言」
「●バラク・オバマ大統領は12月16日、米大統領選に干渉してきたロシア、あるいは他国政府に対して厳しい対応を取ると表明。
●CIAは先週、ロシアが民主党のコンピューターにサイバー攻撃を仕掛け、ヒラリー・クリントン民主党候補に不利となるメール等を流出させ、結果としてドナルド・トランプ共和党候補を勝利へ導く後押しをしたことが判明したとの調査結果をリリース。...
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12月16日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「オバマ氏、米大統領選に干渉した他国政府に対して厳しい対応を取ると宣言」
「●バラク・オバマ大統領は12月16日、米大統領選に干渉してきたロシア、あるいは他国政府に対して厳しい対応を取ると表明。
●CIAは先週、ロシアが民主党のコンピューターにサイバー攻撃を仕掛け、ヒラリー・クリントン民主党候補に不利となるメール等を流出させ、結果としてドナルド・トランプ共和党候補を勝利へ導く後押しをしたことが判明したとの調査結果をリリース。
●ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は、かかる重大な行為はウラジミール・プーチン大統領の関与なくしては成し得ないものと思われるとコメントしたが、ロシア政府は“笑止千万”と即座に否定。
●オバマ大統領は、自身の対ロシア政策を弱腰だと批評してきた共和党の面々が、今回のロシア側の選挙妨害に対して厳しいコメントを発しないのは矛盾していると非難。
●なお、トランプ次期大統領は、CIAの調査結果について、“ばかげた報告”だとして公然と非難。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『AP通信』配信):「オバマ大統領、クリントン候補の勝
利を疑わなかったのでロシアのサイバー攻撃を表沙汰にしなかったが、今は対ロシアに強
硬姿勢で臨むと表明」
「●オバマ大統領は、ロシアのサイバー攻撃について早い段階で知らされていたが、クリントン候補の勝利を疑っておらず、また、選挙戦への影響を心配して表沙汰にしなかったが、今は事態が異なるので、ロシアに対して厳しく責任追及すると発言。
●米高官によれば、同大統領はこれまで、全く手をこまねいていた訳ではなく、例えば9月初めに中国で開催されたG-20杭州サミットの機会を捉えて、ロシア側の度重なるサイバー攻撃に対して、プーチン大統領に直接善処を要求。
●一方、ジョシュ・アーネスト大統領府報道官は、トランプ氏はCIAを非難することは止め、事態究明に協力すべきだとコメント。」
一方、同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「オバマ
氏補佐官、ロシアの米大統領選に関わるサイバー攻撃問題についての討議拒絶」
「●ローズ大統領副補佐官は12月15日、米大統領選に関しロシアのサイバー攻撃があったとするCIA調査報告について、プーチン大統領の関与があったものと思われるとコメントしたが、更に詳細について記者のインタビューに答えることを拒絶。
●また、ジョン・ケリー国務長官も同日、匿名ソースの情報であることを理由にコメントを拒否。
●一方、プーチン大統領は、選挙戦に当り、国内問題から有権者の目を逸らさせるものだとし、また、セルゲイ・ラブロフ外相は、“笑止千万で馬鹿げた話”だと一蹴。」
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