先に掲載の「暴走北朝鮮の内情」の中で、“9月初めに東北・北海道に未曾有の被害をもたらした台風10号によって、北朝鮮北東部でも大洪水・土砂崩れに遭ったため、北朝鮮は、10万人以上の避難者用の食糧・物資の人道的支援を国連に泣きついてきた。しかし、一方で北朝鮮高官は、米国の挑発に対抗するため、更に追加の核実験を実施すると強気の発言を繰り返している”と報じた。そして、第71回国連総会に出席する各国首脳は、日米韓を中心に更に厳しい制裁決議採択に向けて動いているが、北朝鮮同盟国と見做されている中国は、依然制裁よりも対話の必要性を主張している。
9月18日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「日米韓、北朝鮮の追加核実験を強く非難」
「●米国のジョン・ケリー国務長官は9月18日、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長と会談。
●その結果、今月初めに北朝鮮が実施した5度目の核実験を強硬に非難し、北朝鮮の核・ミサイル開発に回す恐れのある一切の外貨収入を絶つ等、より厳しい制裁措置を講ずるべく国連安全保障理事会に諮っていく考えで一致したとの共同声明を発表。...
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9月18日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「日米韓、北朝鮮の追加核実験を強く非難」
「●米国のジョン・ケリー国務長官は9月18日、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長と会談。
●その結果、今月初めに北朝鮮が実施した5度目の核実験を強硬に非難し、北朝鮮の核・ミサイル開発に回す恐れのある一切の外貨収入を絶つ等、より厳しい制裁措置を講ずるべく国連安全保障理事会に諮っていく考えで一致したとの共同声明を発表。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』記事引用):「日米韓外相、北朝鮮に対する更に厳しい制裁につき協議」
「●3ヵ国の共同声明では、北朝鮮が非核化へ方針転換するならば、北朝鮮との協議に応じる用意があるとも付言。
●一方中国は、北朝鮮の追加核実験に怒っていると表明するも、更なる厳しい制裁の効果には懐疑的で、依然対話が必須とコメント。」
9月19日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「国連事務総長、韓国の北朝鮮に対する厳しい対応を評価」
「●韓国の
『聯合ニュース』は9月19日、韓国セヌリ党議員団が訪米して国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長と面談した際、潘氏より、北朝鮮の蛮行に対する韓国朴槿恵(パク・クネ)政権の対応を評価するとの発言があったと報道。
●潘氏はまた、北朝鮮の核問題には、中国の役割が非常に重要だともコメント。」
一方、同日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「韓国、北朝鮮の大洪水被害救済には消極的」
「●韓国統一部(省に相当)の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は9月19日の定例会見で、北朝鮮の大洪水被害について、同国から何ら救済要請がないこともあり、韓国が救済措置を講ずることはないし、また、仮に要請があったとしても、現在の状況から消極的と言わざるを得ないと表明。
●同報道官はまた、北朝鮮は核開発に大金を使わず、まず被災者救済に資金を投じるべきであるともコメント。
●北朝鮮の
『労働新聞』紙は先週、北朝鮮北東部の大洪水・土砂崩れ災害の救助作業が続いている最中、収穫間近の朝鮮人民軍運営農場を訪れた金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、笑顔で視察する写真を掲載。
●同報道官によると、当該写真の背景には、英国製のレンジ・ローバーやドイツ製のメルセデス・ベンツの高級車が写っており、明らかに国連決議で科せられている禁止条項違反。」
また、同日付中国
『人民日報』(
『新華社通信』記事引用):「米韓、北朝鮮の核施設空爆訓練」
「●韓国の
『聯合ニュース』によると、韓国軍は、10月3~21日に米アラスカ州のイールソン空軍基地で行われる、レッド・フラッグ軍事演習(注後記)に参加するため、F-15K戦闘機6機、C-130H輸送機2機を派遣。
●同演習では、北朝鮮の核施設を空爆する訓練を実施予定。
●米空軍からは、F-16やF-15Cなどの戦闘機50機余りが参加。
●一方、ニュージーランドとNATOは、輸送機と空中給油機のみ派遣。」
(注)レッド・フラッグ軍事演習:1975年以降、米空軍主導で行われている共同軍事訓練で、北大西洋条約機構(NATO)やその他同盟国が参加。
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