7月下旬に成都(四川省)で開かれた、主要20ヵ国・地域財務相・中央銀行総裁会議に続いて、いよいよ杭州(浙江省)で9月4~5日、主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催される。昨年11月にアンタルヤ(トルコ)で開かれたG20サミットに出席した習近平(シー・チンピン)国家主席は、2016年に中国でG20サミットを主催すると発表した際、同会議のテーマを「革新・活力・連動・寛容の世界経済を構築」とした。中国としては、何としてもこの国際会議を成功させ、国際社会に大国としての実力・信頼性をアピールする必要があり、日米等との緊張を可能な限り高めないよう注意を払っているように見受けられる。
8月15日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』記事引用):「中国、経済サミットで成長けん引役をアピール」
「●中国政府は8月15日、9月4~5日に中国東部の杭州(浙江省)で開催されるG20サミットについて、脆弱な国際経済立て直しのため、全加盟国が一致協力するよう求めると発表。
●米国や欧州で起こっている排外主義に立ち向かうため、世界金融システムの強化、技術革新などの経済改革に向けて協力が必須とアピール。...
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8月15日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』記事引用):「中国、経済サミットで成長けん引役をアピール」
「●中国政府は8月15日、9月4~5日に中国東部の杭州(浙江省)で開催されるG20サミットについて、脆弱な国際経済立て直しのため、全加盟国が一致協力するよう求めると発表。
●米国や欧州で起こっている排外主義に立ち向かうため、世界金融システムの強化、技術革新などの経済改革に向けて協力が必須とアピール。
●中国外交部の李保定(リー・バオジン)副部長は、今回の会議において、経済政策の討議のみに注力するべきで、南シナ海で発生している領有権争い等の政治的問題は話題として相応しくないとコメント。」
8月16日付韓国
『KBSニュース』:「中国、G20サミットには全加盟国が出席と発表」
「●中国外交部の李副部長は8月15日、G20サミットには8ヵ国の首脳含めて全加盟国・地域代表が出席予定と発表。
●習主席は、G20サミットとは別に、BRICS新興5ヵ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の非公式会議にも出席予定。
●一方、米国が韓国に終末高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備決定以降ギクシャクしている米中韓関係については、サミットとは別に対話を持つ意向とも付言。」
同日付中国
『中央テレビ』:「習主席のG20サミット議題」
「●今回のG20サミットでは、“革新、活力、連動を駆使して世界経済の発展”をテーマとして討議予定。
●習主席は、議長としてG20サミットを仕切る他、新興5ヵ国首脳の非公式会議に出席し、また、9月3~4日に同地で開催されるG20経済人会議(B20)の開会式で演説予定。」
8月15日付中国
『新華社通信』:「中国、G20サミットを契機に新たな経済成長推進に注力」
「●中国外交部の李副部長は、G20サミットを契機に、革新的な成長方法で新たな世界経済成長へのけん引力を作り出すことを目指すと発言。
●また、同サミットにおいて、構造改革、世界経済と金融ガバナンスの改善(特に国際通貨基金の組織改革)、税収、エネルギー、汚職撲滅での協力、更に国際貿易・投資の促進について意見交換し、加盟国間で認識を共有したいとコメント。
●更に、途上国に焦点を当て、それらの国の持続的発展を目指す“2030アジェンダ”を策定し、また、アフリカ諸国の産業発展の支援についての協議を予定。
●その目的のため中国は、アフリカ連合の議長国のチャド、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のラオス、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD、注後記)座長のセネガル、他にエジプト、カザフスタン等、多くの途上国首脳を招待。」
(注)NEPAD:2001年にアフリカ連合(旧アフリカ統一機構)が定めた、アフリカのための開発目標プログラム。
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