5月26~27日に三重県で開催される、主要7ヵ国・地域首脳会談(G-7伊勢志摩サミット)が2週間余りと迫る中、依然オバマ大統領の来日関連日程が公式に発表されないという異例の事態が続いていた。しかし、ついに5月10日、ホワイトハウスは正式に現職大統領の広島訪問を決定した旨発表した。
5月10日付米
『NBCニュース』の報道「オバマ氏、現職の米大統領として初の広島訪問」:
「・ホワイトハウスは5月10日、オバマ大統領が現職大統領として初めて、広島訪問することを正式発表。
・オバマ氏の広島訪問は、核なき世界へのアピールと、1945年8月6日の原爆投下で犠牲になった14万人の慰霊追悼が目的。
・但し、米軍の原爆投下についての謝罪を表明することは否定。...
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5月10日付米
『NBCニュース』の報道「オバマ氏、現職の米大統領として初の広島訪問」:
「・ホワイトハウスは5月10日、オバマ大統領が現職大統領として初めて、広島訪問することを正式発表。
・オバマ氏の広島訪問は、核なき世界へのアピールと、1945年8月6日の原爆投下で犠牲になった14万人の慰霊追悼が目的。
・但し、米軍の原爆投下についての謝罪を表明することは否定。」
同日付米
『ロイター通信米国版』の報道記事「オバマ氏の歴史的な広島訪問は、核廃絶が主目的」:
「・ホワイトハウス発表では、オバマ大統領は5月27日、安倍首相に伴われて広島訪問予定。
・オバマ氏は5月20~28日の間、自身10度目となるアジアを歴訪予定で、アジア重視政策の一環。G-7サミット出席を含めた訪日、及びベトナムも訪問予定。」
同日付英
『ジ・インディペンデント』紙の報道記事「オバマ大統領、1945の原爆投下以来
初の米大統領として広島訪問」:
「・オバマ大統領は2ヵ月前、今世紀初めて現職大統領としてキューバを訪問。
・そして今度は、現職大統領として初めて広島訪問。
・同大統領は2009年11月に訪日の際、いつか(原爆投下の)広島と長崎を慰霊訪問したいと発言。
・本決定の露払い役として、ケリー国務長官がG-7外相会議出席のため4月に訪日の折り、英国のハモンド外相らとともに、広島平和公園を訪問。」
一方、同日付中国
『人民日報』の報道記事「日ロ関係僅かに前進も、依然大きな隔たり」:
「・先週、プーチン大統領とソチで会談した安倍首相は、8項目の協力提案を携えていき、両国間の領土問題進展を画策。
・しかし、両国間の思惑の違いや、米国から日本への注文もあってか、結局何ら得るべき結果はなし。
・とは言え、両国間の2+2外交(両国首脳・外相会談)の実績作りとなり、また、プーチン大統領の訪日の可能性も浮上。
・ただ、プーチン大統領は、現在ロシアが遭遇している景気後退(西側諸国の対ロシア経済制裁等が原因)を打開するため、日本側の経済協力提案を歓迎するも、領土問題については依然頑な対応。」
ホワイトハウス及び安倍首相によるオバマ氏広島訪問の発表が、日本時間の5月10日夜だ
ったため、ロシアや中国メディアは依然ニュースにしていない。ただ、上記に引用した『人
民日報』の記事にあるとおり、中国側は日本の動き、特に中国として強力な関係を構築し
つつあるロシアへのアプローチについては、非常に関心を持っていると言える。
なお、同記事に挿入されたイラストでは、クマ(ロシア人)と握手している相撲取り姿の
日本人を、山高帽の髭面米国人が横目で睨む絵となっており、どうも中国人としては、羨
ましさは隠して、日米ロを上から見下ろしたい心境であることが覗える。
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