【Globali】
トランプ氏発言 全英オープンゴルフ主催地変更へ(2015/12/15)
米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏の数々の発言は物議を醸して来たが、最近のイスラム教徒入国禁止発言は米国外でも大きな反響を呼んでいる。英国ではトランプ氏の英国入国禁止の署名活動が広がりを見せていたが、更に大きな動きとして英国ゴルフ協会がトランプ氏の所有するターンベリーゴルフクラブで全英オープンを開催せずと決定したとワシントンポストが報じた。
12月13日付
『ワシントンポスト』は、「ドナルド・トランプ氏所有ターンベリー 全英オープン開催資格停止との報道」という見出しで、英国「インディペンデント」紙の報道として伝えた。20世紀初頭に造られスコットランドの名門ゴルフコースの一つに数えられるターンベリーゴルフクラブは、1977年より輪番で開催される全英オープン会場となった。最近では2009年に開催されたが、昨年コース名がトランプターンベリーと変わったことで次回開催がほど遠くなってしまった。...
全部読む
12月13日付
『ワシントンポスト』は、「ドナルド・トランプ氏所有ターンベリー 全英オープン開催資格停止との報道」という見出しで、英国「インディペンデント」紙の報道として伝えた。20世紀初頭に造られスコットランドの名門ゴルフコースの一つに数えられるターンベリーゴルフクラブは、1977年より輪番で開催される全英オープン会場となった。最近では2009年に開催されたが、昨年コース名がトランプターンベリーと変わったことで次回開催がほど遠くなってしまった。昨年トランプ氏はターンベリーを中東ドバイの会社から購入した。同ゴルフ場は全英オープンを過去4回開催したほか、全英シニアオープンを7回、全英女子オープンを今年の8月を含め2回開催している。8月以降は閉鎖して2億5千万ドルを投じて改修中であるが、改修担当コースデザイナーは全英ゴルフ協会が開催を拒否出来ない位素晴らしいものにしたいと考えていたと皮肉に報じている。
このワシントンポストの記事で引用された12月13日付英国
『インディペンデント』は、「ドナルド・トランプ所有ターンベリーゴルフクラブ 問題発言への怒りの中全英オープン開催地から外される」という見出しで、全英ゴルフ協会がトランプ氏の不評を理由に同クラブでの全英オープン開催を見送る内部決定をしたと報じた。トランプ氏の、イスラム教徒、メキシコ人、中国人、女性等についての問題発言によりスポンサーや国際的な選手が試合をボイコットするリスクが高まっている。これまで全英ゴルフ協会の新会長であるマーティン・スランバーズ氏はターンベリーでの2020年全英オープン開催を支持すると見られていたが、同紙の問題発言の度に事態の推移を慎重に観察する姿勢に転じていた。しかし、イスラム教徒発言で堪忍袋の緒が切れてしまった。トランプ氏は昨年4月ドバイの投資家からターンベリーを購入、トランプターンベリーと名称変更して2億ポンド掛けて改修することを約束していたので、全英オープンの優勝杯を授与する栄誉をものにすることが半ば保証されていた。実はヨーロッパゴルフツアーの主要スポンサーには中東の政府系ファンド、有力企業が並んでいる。中東の要人は今回の発言を「アメリカの恥だ。」と言っている。トランプ氏は100億ドルの資産のうち15億ドルをゴルフビジネスに投じており、同氏とゴルフの関係は深い。ゴルフ業界も今後の大統領選の推移を見守ることとなる。
閉じる
その他の最新記事