|
|
|
|
【Globali】
セルビア:フランスのラファール戦闘機12機の購入を契約(2024/08/31)
『フランス・ルモンド誌』8月30日付けで、セルビア空軍がフランスのラファール戦闘機を購入する契約を結んだことでのフランスや欧州にとってのメリットを論じている。
なお、注意事項としては、フランスの航空技術やノウハウをセルビアのような、中国やロシアの製造工場がある国で盗まれないように気を付けることだという。特に、セルビアに常駐する中国やロシアの防空設備のメーカーが時間をかけて、ラファ―ル戦闘機に対する自分たちの防空システムの効果を向上するのに使われる可能性がある。
ラファールはフランスの航空機メーカー、ダッソー社により製造されている多用途の戦闘機で、多くの国々への輸出に成功している。...
全部読む
なお、注意事項としては、フランスの航空技術やノウハウをセルビアのような、中国やロシアの製造工場がある国で盗まれないように気を付けることだという。特に、セルビアに常駐する中国やロシアの防空設備のメーカーが時間をかけて、ラファ―ル戦闘機に対する自分たちの防空システムの効果を向上するのに使われる可能性がある。
ラファールはフランスの航空機メーカー、ダッソー社により製造されている多用途の戦闘機で、多くの国々への輸出に成功している。フランスは、ストックホルムの国際平和研究所の、今年3月に発行した最新の報告書によると、世界の武器輸出国として、米国に次ぐ2番目の輸出国となっており、ロシアが3番目でその後に続いている。
ダッソー社の新規注文リストは、今のところぎっしりと一杯になっていて、ダッソー社としては新規の注文に追われた状況となっている。最新の契約は、先日の8月29日木曜日にセルビアの首都ベルグラードで、フランス大統領エマニュエル・マクロンの臨席の下で発表された。この時、セルビアは12機のラファール戦闘機を約30億ユーロ(=約4800億円)の金額で購入する契約をフランスと取り交わした。
一方、3年前にクロアチアに別タイプのラファール戦闘機を売ってから、クロアチアの隣国でその敵対国、セルビアへの戦闘機売却計画は、当初から政治的な意味合いが濃く、論争の的になっていた。すなわち、セルビアはロシアのプーチン政権と緊密な関係を維持しており、セルビアへの戦闘機売り込みは、一見するとフランス側の商業的な成果ではあるが、国際情勢が絡む微妙な問題と判断されている。すなわち、セルビアはEU加盟への候補国となっているものの、ロシアのウクライナ侵攻以降もEU加盟国のようなロシアに対する経済制裁は行っていない。さらに、EU諸国の航空会社と違って、エアーセルビアは、今もモスクワ空港に乗り入れている。加えて、戦闘用ヘリコプターや対空防御システム設備は、ロシアや中国に発注している。ともあれ、フランスとしては、セルビアを’ミグ‘グループから‘ラファール′グループに引き寄せることで今後の欧州の安全保障を高めたいと目論んでいる。
閉じる
その他の最新記事
|
|