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【Globali】
EU諸国:ロシアへの経済制裁決定でEUへのロシア産天然ガス輸出量が減少(2024/08/29)
『フランス・ルモンド誌』8月27日付けによると、今年6月のEU議会での決定により、来年2025年3月にはEU諸国はロシア産の液体天然ガスLNGをEUの港から第3国に再輸出しないことになると伝えている。すなわち、ベルギーのゼブルージュLNGターミナルは、これまで、ロシア産のLNGの第3国への積み出し港としてハブの役割を果たしてきたが、来年3月からは第3国へのLNGハブ機能を停止することになる。
ベルギーのLNG輸送とLNG貯蔵を担ってきた企業、フルッキス社の社長は、8月10日、ベルギーのメディアに「ロシアに対する制裁でロシアのLNG受け入れを1部だけ停止することとなったが、実際の作業は簡単ではない。」と語った。
環境保護NGO団体は、2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻当初からフルッキス社をロシア産の天然ガス取引で、プーチン政権に金儲けさせている「ウクライナ戦争のスポンサー」だとして非難してきた。...
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ベルギーのLNG輸送とLNG貯蔵を担ってきた企業、フルッキス社の社長は、8月10日、ベルギーのメディアに「ロシアに対する制裁でロシアのLNG受け入れを1部だけ停止することとなったが、実際の作業は簡単ではない。」と語った。
環境保護NGO団体は、2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻当初からフルッキス社をロシア産の天然ガス取引で、プーチン政権に金儲けさせている「ウクライナ戦争のスポンサー」だとして非難してきた。ウクライナ政府も、2023年からフルッキス社を「ウクライナ戦争のスポンサー」だとしてブラックリストに登録している。フルッキス社としても、各方面からの非難の的になっているが、これまでは、ロシアのヤマ―ルLNG社と10億ユーロ(=約1600億円)規模の20年間長期契約を結んでおり、‘がんじがらめ’の状況になっていた。
フルッキス社は、北海の面したベルギーのゼブルージュ港を拠点としているが、フランスのロワール・アトランチック県のターミナルで行っていたLNG船から他のLNG船へのLNG移送設備のほかに、2019年からはロシアのヤマ―ルLNGを受け入れることのできる、欧州で唯一のLNGタンク・ターミナルの運用を担っていた。ゼブルージュ港にはLNGをガス化してベルギーやEU諸国へのガスパイプラインにガス供給する設備も保有している。2024年上半期のロシアからこの港に到着する天然ガスの50%以上が、ドイツを含むEU諸国へのガスパイプラインにガス供給されているという。他の天然ガスは、他のLNG船に移されて第3国を含む世界のLNGターミナル(EU諸国への割合は12%)まで海上輸送されるという。
なお、EU諸国の全天然ガス量のうち、ロシア産天然ガス輸入量割合は、ウクライナ戦争前の2021年に45%であったのが、現在では15%まで減少している。
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