8月26日付
『BBCニュース』は、直近で頻発している野生イルカによる噛みつき被害について、専門家による原因分析を詳報している。
直近3年間で、福井県を中心に野生イルカの遊泳客への噛みつき被害が48件も報告されている。
特に敦賀市や美浜町の海水浴場での被害が尋常で、同じイルカによる攻撃ともみられるとして、次のような専門家が原因を分析の上で、いたずらに野生イルカに近づかないよう警告している。...
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8月26日付
『BBCニュース』は、直近で頻発している野生イルカによる噛みつき被害について、専門家による原因分析を詳報している。
直近3年間で、福井県を中心に野生イルカの遊泳客への噛みつき被害が48件も報告されている。
特に敦賀市や美浜町の海水浴場での被害が尋常で、同じイルカによる攻撃ともみられるとして、次のような専門家が原因を分析の上で、いたずらに野生イルカに近づかないよう警告している。
●三重大学大学院生物資源学研究科森阪匡通教授(48歳)
・今夏に敦賀市海水浴場で遊泳客の指に噛みついて怪我をさせたハンドウイルカ(バンドウイルカとも称され、熱帯~温帯の陸近くの世界中の海に生息)は、昨年美浜町で噛みつき被害を起こしたイルカと背びれが同一のものと断定。
・また、今年になって美浜町沖で発生している18件の噛みつき被害も同一個体によるものと断定。
・イルカの背びれは指紋のようなもので、固有の切り欠き、隆起、色素沈着があり区別可能。
・ハンドウイルカは、オスどおしで“甘噛み”をしてコミュニケーションを取っていると考えられているが、群れから離れた1頭のイルカが、同様のコミュニケーションを取ろうとしたのか、あるいは孤独に因る欲求不満からの攻撃かとも考えられる。
・従って、無闇に野生イルカに近づかず、船や陸に至急上がって回避することを推奨。
●米シャークベイ・ドルフィン研究センター(1984年設立)サイモン・アレン主任研究員
・ハンドウイルカは非常に社会性のある動物であり、人間や他の社会的な動物と同じように、ホルモンの変動、性的欲求不満、または支配したいという欲求がイルカを駆り立て、交流する人々を傷つける可能性がある。
・彼らは非常に強力な動物であるため、これは人間に深刻な怪我につながる場合があるが、自分たちのコミュニティから追放され、別の繋がりを求めて、人間にとっては攻撃的な接触につながっているかもしれない。
●シンガポール国立大学(1905年設立)海洋哺乳類専門家マティアス・ホフマン=クント博士
・イルカは自分自身の防衛のために行動している可能性がある。すなわち、ほとんどの場合、人間がイルカに近づきすぎて、どのように振る舞えばよいかわからない場合、イルカが防御的な行動を取ったと考えられる。
・また、イルカは象と同様に記憶力が豊かで、以前に人間からひどい目(背中に乗られたり、潮吹き穴に指を突っ込まれたりした等)に遭ったことがあると、別の人間であっても恐怖や防衛本能がはたらいて攻撃的になる可能性もある。
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