8月22日付
『ジ・インディペンデント』紙は、中国海軍保有の最大級強襲揚陸艦が宮古島沖を通過したことから、日本側が緊急警戒態勢を敷いたと報じている。
統合幕僚監部(注後記)は8月19日、中国海軍が保有する最大級の075型強襲揚陸艦(2021年就役)が8月17日、ミサイル駆逐艦とともに宮古島沖120キロメートル海上を太平洋に向けて航行しているのを認めたと発表した。
同部幹部によると、護衛艦きりさめ(1999年就役)を緊急出動させて、“警戒、監視、情報収集”に当たらせたという。...
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8月22日付
『ジ・インディペンデント』紙は、中国海軍保有の最大級強襲揚陸艦が宮古島沖を通過したことから、日本側が緊急警戒態勢を敷いたと報じている。
統合幕僚監部(注後記)は8月19日、中国海軍が保有する最大級の075型強襲揚陸艦(2021年就役)が8月17日、ミサイル駆逐艦とともに宮古島沖120キロメートル海上を太平洋に向けて航行しているのを認めたと発表した。
同部幹部によると、護衛艦きりさめ(1999年就役)を緊急出動させて、“警戒、監視、情報収集”に当たらせたという。
中国海軍は075型を3隻(2隻が2021年、もう1隻が2022年就役)所有していて、そのうちの1隻が昨年7月、中国初の遠洋演習に参加するために東シナ海から鹿児島県南方を航行しているのが認められている。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS、1962年設立)によると、同揚陸艦によって中国海軍の本土外で活動する地上部隊(900人の兵士収容可)の輸送、上陸、支援能力が大幅に向上しているとする。
また、豪州戦略政策研究所(2001年設立)のマルコム・デイビス上級軍事アナリストは香港『サウスチャイナ・モーニングポスト』のインタビューに答えて、“台湾危機の際には、これら艦隊が台湾沖合領土を奪取したり、台湾本島への直接侵攻を支援したりするために起用される可能性がある”とコメントした。
更に、本艦とその大型版である076型上陸ヘリコプタードック強襲揚陸艦(詳細未情報)は、南シナ海でのいかなる紛争においても中国海軍の強力部隊となると考えられるとも付言している。
(注)統合幕僚監部:日本の行政機関のひとつ。陸海空自衛隊(1954年設立)を一体的に部隊運用することを目的とした防衛省の特別の機関。2006年設置。
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