マツダ(1920年前身設立)及びフォード(1903年設立)はこの程、不具合問題を起こしたタカタ・エアバッグ(注後記)を搭載したままの2003~2015年モデル車の運転を即刻中止し、リコール(メーカーによる無償修理)に応じるよう発表した。
8月13日付
『AP通信』は、マツダとフォードが、タカタ・エアバッグを搭載したままの旧車のリコールに応じるよう緊急声明を出したと報じている。
2008年頃から発覚した、タカタ・エアバッグの不具合問題に伴い、米国・豪州・マレーシアでは、不測の破裂事故で少なくとも35人が犠牲となっている。
そのうち、米国での被害が最大で、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA、1970年設立)によると、死者27人、負傷者は400人余りに上るという。...
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8月13日付
『AP通信』は、マツダとフォードが、タカタ・エアバッグを搭載したままの旧車のリコールに応じるよう緊急声明を出したと報じている。
2008年頃から発覚した、タカタ・エアバッグの不具合問題に伴い、米国・豪州・マレーシアでは、不測の破裂事故で少なくとも35人が犠牲となっている。
そのうち、米国での被害が最大で、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA、1970年設立)によると、死者27人、負傷者は400人余りに上るという。
世界全体でタカタ・エアバッグ搭載車のリコールは1億台に上り、米国でも少なくとも6,700万台がリコール対象となっている。
しかし、NHTSAは未だ多くのタカタ・エアバッグ搭載車が未修理のままだとし、不具合による悲惨な事故につながる恐れがあるとする。
かかる状況下、マツダとフォードが8月13日、改めて次の旧車(両社計45万7千台)についての即刻運転中止とリコール修理に応じるよう緊急声明を発信した。
<マツダ:2003~2015年モデル計8万3千台>
・2004~2009年型B-シリーズ(ピックアップトラック)、2003~2013年型マツダ6(日本名アテンザ)、2006~2007マツダ・スピード6、2004~2011年型RX-8(スポーツカー)、2004~2006年型MPV(ミニバン)、2007~2012年型CX-7(クロスオーバーSUV)、2007~2015年型CX-9(同左)
<フォード:2004~2014年モデル計37万4千台>
・2004~2011年型レンジャー(ピックアップトラック)、2005~2014年型マスタング、2005~2006年型フォードGT(スポーツカー)、2006~2012年型フュージョン(セダン)、2007~2010年型エッジ(クロスオーバーSUV)、2006~2012年型マーキュリーミラン・MKZ・ゼファー(セダン)、2007~2010年型リンカーンMKX(クロスオーバーSUV)
なお、フォードは、米国内ではリコール対象車の95%余りが修理済みとしているものの、上記37万4千台を含めて全世界合計で76万5千台余りについて、不測の事故防止のために可及的速やかなリコール修理が必要だと言及している。
(注)タカタ・エアバッグ不具合問題:2008年頃から、重要部品で膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで発覚。米国とマレーシアでは破裂したインフレーターの金属片により死亡事故も発生。2008年11月から米国を皮切りに断続的にリコールが始まり、2024年現在世界全体で1億台に上る史上最大のリコール。2015年11月、NHTSAは、タカタのエアバッグの欠陥を企業の不祥事と位置づけ、同社が適切なリコールや情報開示を実施せずに米国内で被害を拡大させたとして、NHTSAが一社に科す制裁金として過去最高額となる最大2億ドル(約294億円)の民事制裁金を科すと発表。2017年6月、制裁金に加えてリコール費用、訴訟費用が負債総額1兆円を超えたことから、民事再生法適用申請。製造業としては戦後最大の経営破綻。
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