8月9日付
『BBCニュース』は、JMAの「南海トラフ地震臨時情報」に関し、米地震学者の見解について詳報している。
JMAは8月8日夜、同日夕刻に発生した宮崎県沖地震(震度6弱、マグニチュード7.1)に関わり、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
当該臨時注意報に関し、米地震学者が次のような見解を公表している。...
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8月9日付
『BBCニュース』は、JMAの「南海トラフ地震臨時情報」に関し、米地震学者の見解について詳報している。
JMAは8月8日夜、同日夕刻に発生した宮崎県沖地震(震度6弱、マグニチュード7.1)に関わり、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
当該臨時注意報に関し、米地震学者が次のような見解を公表している。
● 米コーネル大(1865年設立の私立大学)地球・大気科学部のジュディス・ハバード客員助教及びカイル・ブラッドリー客員研究員
・8月8日付で「アースクエイク・インサイツ(地震洞察)」と題する共同論文を発表。骨子は以下のとおり。
・カリフォルニア州で発生した地震を通じての経験則では、特定の地震が巨大地震の前震である可能性は5%前後。従って、今回のM7.1地震が、遥かに大規模で危険な地震の前震である可能性は僅か。
・日向灘では、M7~7.5の地震が過去100年間で約6回発生しているが、これらの地震は 巨大地震の引き金にはなっていない。
・地震がどのように始まるかについての我々の地震モデルと期待値は単なる推測であり、不完全で信頼性が低いことを謙虚に受け入れなければならない。
・従って、今回の臨時注意報に関し、差し迫った巨大地震発生の可能性は客観的にはまだ低いと考えられるが、今回のM7.1地震が発生する前よりもその恐れが高くなっていることは確実。
● 東京大学(1877年設立の国立大)のロバート・ゲラー地震学名誉教授(72歳)
・JMAの臨時注意報は、科学とはほとんど関係がないと懐疑的なコメント。
・何故なら、地震が「クラスター化(注後記)された現象」であることが知られている一方で、起こった地震が、前震なのか余震なのかを事前に判断することはできないから。
・但し、行うべき全ての日常的な予防策を講じているかどうか確認する上で、意義ある注意喚起であると評価。
・その上で、1週間分の水と缶詰、更に懐中電灯用の電池を用意することを推奨。
(注)クラスター化:多くの物または人についてある調査を行う場合に、いくつかの量的または質的なデータによってグループに分けて同様のものを部分的に集合させる多くの変量の解析の一手法であって、そのグループに分類すること。
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