この決定は、オーストラリア中央銀行から2月2日木曜日に発表されたもので、オーストラリア側において、英国の王室との関係にある程度の距離感を置きたいという意図によるものである。
これまでオーストラリアの紙幣のうち、5ドル紙幣が唯一、英国の君主の肖像を印刷した紙幣であった。オーストラリア中央銀行は、5ドル紙幣のデザインには先住民族の歴史や文化を尊重した絵柄を使いたいので、現在、先住オーストラリア人たちと相談していると説明した。...
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この決定は、オーストラリア中央銀行から2月2日木曜日に発表されたもので、オーストラリア側において、英国の王室との関係にある程度の距離感を置きたいという意図によるものである。
これまでオーストラリアの紙幣のうち、5ドル紙幣が唯一、英国の君主の肖像を印刷した紙幣であった。オーストラリア中央銀行は、5ドル紙幣のデザインには先住民族の歴史や文化を尊重した絵柄を使いたいので、現在、先住オーストラリア人たちと相談していると説明した。
なお、オーストラリア中央銀行は、新しい5ドル紙幣のデザインには数年かかると予想している。 それまでの期間は、故エリザベス女王IIの肖像が印刷された5ドル紙幣が正式な紙幣として流通することになるという。
ところで、去年9月8日、エリザベス女王IIの死去に伴い、オーストラリアはイギリス連邦の一員としてその日をオーストラリアとして喪に服する日とし、その日を境にしてオーストラリアの元首は、チャールズIII国王となった。
しかし、オーストラリア国内の一部の先住民族は、英国植民地時代の破壊的な政策を非難し、オーストラリアがイギリス連邦の君主制に従うことを廃止したいとしている。
5ドル紙幣の絵柄を女王の肖像から、先住民の伝統的な模様にする件に関してはオーストラリア中道左派のアントニー・アルバ二―ジー首相の政権に支持されているという。さらに、オーストラリアをイギリス連邦君主国から共和国家に変革する運動団体ARMからも5ドル紙幣の絵柄の変更に賛成の声が上がっている。5ドル紙幣の絵柄の変更については上述のように、国家体制の大きな変革が絡んでいるため、コンセンサスを得るためには、数年かかりそうである。
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