ポーランド政府によると15日、東部のウクライナ国境近くの村に、ロシア製とみられるミサイルが着弾した。誤爆か、意図されたものかは不明だが、ポーランドが北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であることから、ロシアとの緊張関係が高まることは必至とみられている。
11月16日付
『AP通信』:「ポーランド:ロシア製ミサイル着弾で2人死亡」:
ポーランドは15日、同国東部でロシア製ミサイルが着弾し、2人が死亡したと発表。
ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア製ミサイルがNATO加盟国に着弾したのは初めてとなる。
ポーランドのモラヴィエツキ首相は、「政府はミサイルについて調査中で、軍の配備を準備している」としている。ポーランドのラウ外相の声明では、ミサイルがロシア製だと確認されたとしていたが、ドゥダ大統領は断定を避け、「ロシア製の可能性が高いが調査中」だとし、同国は「困難な状況に有る」と述べている。...
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11月16日付
『AP通信』:「ポーランド:ロシア製ミサイル着弾で2人死亡」:
ポーランドは15日、同国東部でロシア製ミサイルが着弾し、2人が死亡したと発表。
ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア製ミサイルがNATO加盟国に着弾したのは初めてとなる。
ポーランドのモラヴィエツキ首相は、「政府はミサイルについて調査中で、軍の配備を準備している」としている。ポーランドのラウ外相の声明では、ミサイルがロシア製だと確認されたとしていたが、ドゥダ大統領は断定を避け、「ロシア製の可能性が高いが調査中」だとし、同国は「困難な状況に有る」と述べている。
一方、NATOは声明で、「悲劇的な事件」とし、ストルテンベルク事務総長は加盟国代表に緊急会議を招集した。国連安保理もウクライナ情勢に関する会合が予定されているため、今回の件についても協議するとみられる。
ポーランドからの声明では、ロシア軍の標的ミス、あるいは、ウクライナ軍のミサイルが飛んできたものかなど、ミサイルの状況については触れられていない。仮にロシアがポーランドに意図的に攻撃したものならば、ウクライナ軍に苦戦している中、ロシアはNATO加盟30カ国と対立関係に至るリスクがある。
ポーランドの国内メディアによると、攻撃されたのはウクライナ国境に近い穀倉地帯のワイヤー村だとされている。
ロシアの国防相は声明で、ポーランド国境への攻撃を否定し、事故の写真はロシアとは関連性がないものだと主張している。ポーランドのラウ外相は、ロシア大使に「早急な詳細説明」を求めた。
ミサイル着弾前、ロシアはウクライナの電力設備のミサイル攻撃を続け、ウクライナの約4割のエネルギーインフラが破壊されている。攻撃は隣国モルドバにも及んでおり、モルドバでも電力施設への攻撃後に大規模停電が起きていたと報じられている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は演説で、戦争が「非常にエスカレートしている。ポーランドへの攻撃はテロがウクライナ国外にも及んでいる証拠だ。ロシアが罰を逃れ続けると、ロシアのミサイルはより広範囲に及ぶようになる」と非難している。
バリのG20サミットで主要国は、ロシアによる侵攻を厳しく非難する決議にむけ協議を進めていた。15日もバイデン米大統領とゼレンスキー氏は、ロシアによる核脅威や穀物禁輸を参加国に訴えていた。
同日付米『USAトゥデイ』:「米英首脳会談でポーランドへのロシア製ミサイル攻撃を協議」:
ロシアのミサイルがポーランド国内に着弾し、NATO内で懸念が高まる中、バイデン米大統領とスナク英首相は16日、二者会談を行う予定。
ミサイルは15日、ポーランド国内のウクライナ国境に近い穀物施設に着弾したと報じられている。誤って攻撃されたのか、意図されたものかは不明だが、どちらにせよ、ポーランドがNATO加盟国である点から、ロシアによるウクライナ侵攻が9ヶ月に及ぶ中、より危機感が高まるものとみられている。
米英首脳による会談はG20サミットの最終日となり、会談終了後バイデン氏は帰国するとみられる。
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