米海軍が誇る最新鋭原子力空母“ジェラルド・R.・フォード”(満載排水量102千トン、2017年就役)が、先進装備の総点検を終えていよいよ実戦配備されることになった。大西洋に展開する北大西洋条約機構(NATO)軍に加わり、主にロシア軍を牽制することになる。
9月29日付
『AP通信』は、「米海軍の最新鋭空母、NATO軍の共同作戦用に配備」と題して、様々な先進設備を備えた最新鋭原子力空母が、諸設備の改良・総点検を終えていよいよ実戦配備されることになったと報じている。
米海軍が誇る最新鋭原子力空母“ジェラルド・R.・フォード”が10月3日、いよいよ実戦配備されるため世界最大規模のノーフォーク海軍基地(バージニア州)から出航する。
本艦は、様々な最先端設備を備えているが、各々改良が必要で、2017年就役以来、実戦配備が遅れていた。...
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9月29日付
『AP通信』は、「米海軍の最新鋭空母、NATO軍の共同作戦用に配備」と題して、様々な先進設備を備えた最新鋭原子力空母が、諸設備の改良・総点検を終えていよいよ実戦配備されることになったと報じている。
米海軍が誇る最新鋭原子力空母“ジェラルド・R.・フォード”が10月3日、いよいよ実戦配備されるため世界最大規模のノーフォーク海軍基地(バージニア州)から出航する。
本艦は、様々な最先端設備を備えているが、各々改良が必要で、2017年就役以来、実戦配備が遅れていた。
米海軍が9月29日にリリースした声明によると、本艦は数隻の駆逐艦やその他戦艦を従えて、10月3日に大西洋に向けて出港し、ウクライナで戦争を激化させているロシア軍を牽制するため、大西洋に展開するNATO軍のフランス・ドイツ・スウェーデン部隊に合流するという。
米海軍報道官のダニエル・ドゥワイアー中将(55歳)は声明文の中で、“大西洋は重要な戦略拠点である”とした上で、“米同盟国の海軍と連携し、大西洋の平和と安定を確保することが主要目的である”と言及している。
同中将は、主として大西洋を管轄する第2艦隊(注後記)を指揮している。
本艦が配備される北大西洋では、冷戦(1946~1989年)以来初めてとなる勢いでロシア軍の活動が活発化していることから、本艦の実戦配備は重要な意味をもつことになろう。
米シンクタンク、ランド研究所(1948年設立)のブラッドリー・マーチン上級戦略研究員(元海軍大尉)は『AP通信』のインタビューに答えて、“本艦が北大西洋に配備されることによって、米海軍の能力を示すだけでなくNATO軍の支援を増強することになる”とし、“もしロシア軍がウクライナ以外の地域まで戦闘を拡大することになれば、それは到底看過されることではなく、増強されたNATO軍と対峙することを意味する”と強調している。
なお、本艦の総工費は133億ドル(約1兆9,150億円)と米軍史上最高額で、電磁式航空機発射システム(カタパルト、EMALS)、新型着艦制動装置(AAG)、先進型兵器エレベーター(AWE)等の最新鋭設備を備えている。
ただ、これら最先端設備の信頼度向上のために様々な改良が必要となり、2017年の就役から実戦配備までに5年を要してしまっていた。
(注)第2艦隊:1950年創設。担当海域には、北極から南極、及び米国から欧州西岸まで、大西洋の約9,840平方キロメートルにわたる領域が含まれている。
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