既報どおり、カマラ・ハリス副大統領(57歳)は今週、故安倍元首相国葬儀出席を契機に、北朝鮮問題含めてアジア重点外交を精力的に行っている。そして、日韓両首脳とそれぞれ会談した際、同副大統領は、台頭著しい中国に対峙していく上で、日韓両国の融和が必要不可欠と直接訴えた、と米メディアが報じている。
9月29日付
『AP通信』は、「米国、日韓両国関係緊張の中、アジアのため今こそ融和が必要と強調」と題して、カマラ・ハリス副大統領が、日韓両首脳とそれぞれ会談した際、台頭著しい中国と対峙していく上で、今こそ両国の融和が必要不可欠だと訴えたと報じている。
訪日中のカマラ・ハリス副大統領は9月28日、横須賀米軍基地を訪問し、停泊中の米軍駆逐艦に乗船して、中国の台湾に関わる“不穏な活動”や“挑発行為”を非難すると強く訴えた。...
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9月29日付
『AP通信』は、「米国、日韓両国関係緊張の中、アジアのため今こそ融和が必要と強調」と題して、カマラ・ハリス副大統領が、日韓両首脳とそれぞれ会談した際、台頭著しい中国と対峙していく上で、今こそ両国の融和が必要不可欠だと訴えたと報じている。
訪日中のカマラ・ハリス副大統領は9月28日、横須賀米軍基地を訪問し、停泊中の米軍駆逐艦に乗船して、中国の台湾に関わる“不穏な活動”や“挑発行為”を非難すると強く訴えた。
同副大統領は、米国は中国の行為に対抗して、中国が自国の一部と主張している台湾との“非公式な関係ながらそれを更に深化していく”旨言及した。
ただ、台湾を取り巻く緊張度が高まりにつけて、米国として中国の行動を抑止する一環で、軍を派遣するか等まで考えた場合、米同盟国である日韓両国の現下の関係悪化を憂慮している。
同副大統領は、米国のアジア政策を取り進める上で、日韓両国は“基軸”であり“礎”であると訴えた。
しかし、日韓両国は第二次大戦に関わる補償問題等で長い間ギクシャクした関係が続いており、直近では歴史問題を離れて、貿易関係・技術提携・機密情報交換等での対立にまで及んでいる。
韓国側は、日本からの追加の補償を要求する権利があり、またもっと真摯な謝罪が必要だと主張すれば、日本側は既に国家レベルで解決済みだと反論している。
日韓双方の政治トップは、関係修復を試みようとするも、それぞれ国内からの反発があって具体的進捗がみられない状況である。
同副大統領は記者会見の場でも、米国のアジア政策を推進していく上で、日米間“3ヵ国の協調関係”が重要だ、とも表明した。
しかし、随行した米高官は、“米国が日韓両国関係改善を仲介するには限界がある”と吐露している。
実は先週、尹錫悦大統領(ユン・ソンニョル、61歳)と岸田文雄首相(65歳)が国連総会出席を機会に、両国首脳として3年振りに直接会談している。
また、安倍元首相国葬儀に出席した韓悳洙首相(ハン・ドクス、73歳)が岸田首相と会談して、“民主主義国家である隣国どおし、連携していく”考えを表明していた。
ただ、今後、どういう進展となるのか、見通しは立っていない。
ジャーマン・マーシャル米国財団(1972年設立の米欧間の公共政策に関連する組織)アジア研究部門のクリスティ・ゴベラ副所長は、“3ヵ国とも(中国、北朝鮮問題等)懸念する問題は共有しているが、各々の国家間の意欲や行動範囲が必ずしも一致していない”と分析している。
また、スタンフォード大学(1891年創立の私立大)東アジア問題研究センターのダニエル・スナイダー副主幹は、“真に有効な3ヵ国協調関係は、戦時中の歴史や正当性に関わる深刻な論争を解決することなしには構築できない”と強調している。
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