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【Globali】
ウクライナ戦争:アフリカ食糧問題は穀物輸入にそれほど直結していない(2022/09/08)
フランスの 『ルモンド紙』によると、国連開発プログラム(PNUD)はアフリカでは伝統的に栽培されてきた穀物のアワ、モロコシ、フォニオ、トウモロコシや大麦がなおざりにされてきたことを指摘し、アフリカ諸国に対し、ウクライナ戦争を契機にして、輸入小麦不足による食糧危機を防ぐために伝統的な穀物栽培を見直すことを勧告している。
7月22日のロシアとトルコの小麦輸出航路の安全確保の同意後、ウクライナの穀物を積んだ船は、ゆっくりとしたペースであるが世界各国に向けて運搬されている。しかし、黒海沿岸の港にブロックされていた2000~2500万トンの小麦やトウモロコシは、ウクライナ戦争やアフリカの干ばつによる食糧不足を充分に満たすことができるのか疑問となるという。
ロシアとウクライナの小麦が世界の生産量の30%供給していることは、常々言われているので、ウクライナ戦争で食糧事情は危機的な状態となりアフリカ開発銀行(BAD)により、警告が発せられている。...
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7月22日のロシアとトルコの小麦輸出航路の安全確保の同意後、ウクライナの穀物を積んだ船は、ゆっくりとしたペースであるが世界各国に向けて運搬されている。しかし、黒海沿岸の港にブロックされていた2000~2500万トンの小麦やトウモロコシは、ウクライナ戦争やアフリカの干ばつによる食糧不足を充分に満たすことができるのか疑問となるという。
ロシアとウクライナの小麦が世界の生産量の30%供給していることは、常々言われているので、ウクライナ戦争で食糧事情は危機的な状態となりアフリカ開発銀行(BAD)により、警告が発せられている。 BADによると、アフリカでは少なくとも3000万トンの食糧が不足しており、特に輸入小麦、トウモロコシおよび大豆の不足が指摘されている。
なお、アフリカでは国ごとに事情が異なり、エジプトでは85%の小麦をロシアやウクライナから輸入している。そのためパン製造業者にはサツマイモをベースにしたパン製造を推奨している。 輸入小麦の少ないコートジボワールでは山芋が1番に栽培され、2番目がキャッサバとなっており、総栽培量が640万トンとなっている。トーゴではウクライナ戦争前の2019年末からパン製造に国産穀物を15%使用することを義務化している。
なおPNUDとしては、アフリカの食糧危機を回避するため、これまでの輸入穀物の輸入に依存体質から脱却してアフリカが伝統的なアフリカ固有の穀物であるアワ、モロコシ、フォニオ、トウモロコシや大麦を栽培することを推奨している。 ちなみに、多くのサハラ砂漠以南の国々は現在でもこれらの穀物を主食としているという。
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