欧州とロシアと間の制裁合戦により、ロシア産天然ガスの供給が削減され、燃料価格が高騰している。こうした状態を受けてフランスのエネルギー大手3社は26日、国民に対して、電気、ガス、ガソリンの消費を抑えるよう呼びかけた。
米
『ABCニュース』によると、フランスのエネルギー大手である、トタルエネルジー、EDF、エンジーの3社は、日曜紙
『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』に共同で寄稿し、「使用削減の取り組みは即座に、集団で、大規模に行う必要がある」と述べ、「あらゆる行動が重要だ」と述べている。
ロシアは、2月24日のウクライナ侵攻に対するEU加盟国27カ国のロシアに対する制裁への報復として、一部のEU加盟国へのガス供給を削減、または停止している。...
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『ABCニュース』によると、フランスのエネルギー大手である、トタルエネルジー、EDF、エンジーの3社は、日曜紙
『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』に共同で寄稿し、「使用削減の取り組みは即座に、集団で、大規模に行う必要がある」と述べ、「あらゆる行動が重要だ」と述べている。
ロシアは、2月24日のウクライナ侵攻に対するEU加盟国27カ国のロシアに対する制裁への報復として、一部のEU加盟国へのガス供給を削減、または停止している。そのため、欧州のエネルギー供給はここ数カ月、深刻な緊張状態にある。ガス備蓄に対する警戒が高まっており、配給措置がとられている国も出てきている。フランスは他の欧州諸国と同様、冬に備えてガスの備蓄を強化しようとしており、経済的・政治的危機を回避するため、秋口までに貯蔵量を満たすことを目標としている。なお、欧州では、ウクライナ戦争に関連したガス供給不足に加え、電力生産能力の圧迫、干ばつによる水力発電の減産にも直面している。
3社は、「消費者一人ひとり、企業一人ひとりが行動を変え、エネルギー、電気、ガス、石油の消費を直ちに制限するよう、集団および個人レベルで意識して行動することを呼びかけます。大規模なエネルギー効率化プログラムを立ち上げ、全国における浪費を調査する必要があります。その努力は即座に、集団で、大規模に行わなければなりません。」と訴えた。
米『ブライトバート』は、この声明は、ロシア産エネルギーに過度に依存してきた隣国ドイツが、経済破局に近づいている中、発表されたものだと伝えている。ドイツ当局は、冬に電力を供給し続けるにはどうしたらよいのか、頭を悩ませているという。
すでに国民に節電を呼びかけているドイツのロベルト・ハベック経済・気候相は、ドイツの送電網を維持するために「企業は生産を停止して従業員を解雇することになるだろう。サプライチェーンは崩壊し、人々は暖房費を支払うために借金をし、人々はより貧しくなる」と述べている。
一方、イタリアではすでに公共部門における冷暖房の使用制限が始まっており、学校や官公庁などでは、夏は25度以下に、冬は19度以上に温度設定しないように義務づけられている。
なお、『AFP通信』によると、EU諸国は27日、エネルギー消費量の削減を義務付ける文書に合意した。2030年までにEUのエネルギー消費量を2020年比で少なくとも9%削減することを目標に掲げている。今後は、欧州議会議員との交渉が必要になる。
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