国連のアフリカ、ユーラシアの水鳥保護協定(AEWA)のジャック・トルビエ事務総長によると、不要な公共の場の照明削減対策としては、空に向かってのプロジェクションや鳥たちの好きな青色照明を挙げ、これらを削減することで渡り鳥の犠牲を少なくできるという。
さらに、トルビエ事務総長は、渡り鳥のほとんどは、磁場と星座により旅先進路を定めるためと、外敵から身を守る理由で夜間に移動するため、過剰照明が渡り鳥にリスクをもたらすと付け加えた。...
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国連のアフリカ、ユーラシアの水鳥保護協定(AEWA)のジャック・トルビエ事務総長によると、不要な公共の場の照明削減対策としては、空に向かってのプロジェクションや鳥たちの好きな青色照明を挙げ、これらを削減することで渡り鳥の犠牲を少なくできるという。
さらに、トルビエ事務総長は、渡り鳥のほとんどは、磁場と星座により旅先進路を定めるためと、外敵から身を守る理由で夜間に移動するため、過剰照明が渡り鳥にリスクをもたらすと付け加えた。
毎年、春と秋に数千万羽の渡り鳥が餌や産卵に適した気候を求めて長距離を移動する。約600種の鳥類がヨーロッパとアジアに生息していて、約半分の種類が秋に豊富な餌を求めて移動するという。なお、ほとんどの渡り鳥は、自分の大陸内に留まるが、ある種の渡り鳥、すなわち海鳥たちは最終目的地まで数千キロの長距離移動を行う。カモメの仲間の北極アジサシは最たるもので、鳥の一生のうちで累計、地球と月の距離の4倍を移動するという。
一方、最近の調査によると、世界で過剰な都市照明は毎年、2%の割合で増加しているという。例えば、あまり人々が通らない街角の記念塔に対しても夜中、照明されているが、これが渡り鳥たちにとって脅威となる。渡り鳥たちは照明塔に惹かれてその周りを何度も旋回することで消耗したり、照明のガラス面を海面や湖面と勘違いして衝突したりして、死に至ることも多いという。
しかし、トルビエ事務総長によると、国連のAEWAの呼びかけで近年、世界の多くの都市では、渡り鳥の移動時期には照明を弱くする措置が取られるようになったと言明した。東京のスカイツリーや東京タワーも渡り鳥の移動時期に照明を弱めたりする措置が講じられているのか気になるところである。
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