欧州議会は18日、中道右派である欧州人民党(EPP)所属のロベルタ・メツォラ氏を新しい議長に選出した。メツォラ氏は、1回目の投票で欧州議会議員705人のうち458票を獲得し、当選した。
仏誌
『レゼコー』によると、選挙前日の夕方には、下院の3大政治勢力である、EPP、社会民主進歩同盟、欧州刷新が、今後2年半の10の優先事項という形で合意したことを公表し、選挙結果はすでに予測がついていた。
10の優先事項は、法の支配を保証する基本的価値観、気候、健康、デジタル、経済成長、社会、不平等との戦い、EUの対外国境の強化、同時に移民に対する「人道的かつ効果的」な対応、そして最後に欧州の独立を保証する戦略的自律性である。...
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仏誌
『レゼコー』によると、選挙前日の夕方には、下院の3大政治勢力である、EPP、社会民主進歩同盟、欧州刷新が、今後2年半の10の優先事項という形で合意したことを公表し、選挙結果はすでに予測がついていた。
10の優先事項は、法の支配を保証する基本的価値観、気候、健康、デジタル、経済成長、社会、不平等との戦い、EUの対外国境の強化、同時に移民に対する「人道的かつ効果的」な対応、そして最後に欧州の独立を保証する戦略的自律性である。また、基本軸として「性と生殖に関する健康」を含む「欧州における女性の権利の向上一致」を挙げている。
議会は今後、組織図の中で最も目立つポジションをめぐって様々な交渉がすすめられることになる。社会民主党は14の副議長ポストのうちすでに5つを獲得している。委員会の活動を調整し、良好な協力を引き出すための政治機関である委員会議長会議の議長の座も獲得した。欧州刷新党も、3つの副議長ポストを獲得している。
3大派閥の間では、2022年1月にはEPPが議長席を務める約束が交わされていたが、昨年9月、ドイツ連邦議会で社会民主党所属のオーラフ・ショルツが勝利したことで勢いづいた社会民主進歩同盟が、この約束を反故にしようと試みた。しかし、保守派はこれを宣戦布告と見なすと明言し一掃した。
仏紙『ルフィガロ』によると、ロベルタ・メツォラは、シモーヌ・ヴェイユ、ニコル・フォンテーヌに続き、欧州議会議長に選出された3人目の女性となる。人口が52万5千人しかいない小国マルタの欧州議会議員が、トップの座に推挙されるのは初めてのことになる。さらには、これまでに最年少の議長であり、2024年7月まで在任する。
新議長は法の支配と民主主義の問題に強いこだわりを持っており、就任の挨拶では、これらの価値観から目をそらす国々に警告を発している。「今後数年間、欧州全域の市民がリーダーシップと方向性を求めて我々の機関に目を向けることになる一方で、民主主義の価値と欧州の原則の限界を試し続ける者も出てくるだろう」と述べ、「あまりにも簡単かつ迅速に定着する反EU的意見と戦う」よう呼び掛けた。
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